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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百十八話






――ホワイトハウス――


「それで……ハワイは持ちそうなのかね?」


 ホワイトハウスの大統領室でルーズベルトはキングに聞いた。


「はっきり言えば……ノウです。ハワイの防衛部隊は制空権、制海権をジャップに取られているので連日に渡る爆撃が続いております」


「それに陸軍部隊も苦戦をしております。ジャップの戦車はこちらのシャーマンよりも装甲が厚く、完全に撃破する事は不可能です」


「むぅ……ジャップの戦車は予想より遥かに上のようだな」


 ルーズベルトは腕を組んで唸る。


「ハワイは取り返す事が出来ないのか?」


「艦隊を太平洋に集中すれば取り返す事は可能になります」


「キング、それはナンセンスだ。大西洋が空っぽになるとUボートの跳梁が増える一方だ」


 ルーズベルトはジロリとキングを睨む。


「ジャップからハワイを取り返すなら少しの間だけでも仕方ないかと思われます」


「君はチャーチルを見捨てろと言うのかねッ!!」


「いえ、もしもの場合ですが……」


 ルーズベルトの怒りにキングはのらりくらりとかわしていく。


「だが今回の責任は海軍にあるのじゃないかね?」


「ッ!?」


 ルーズベルトの言葉にキングを驚く。


「四隻の新型空母がいながら一隻を残して壊滅をしてあまつさえアイオワをジャップに捕獲されたのだぞ?」


 ルーズベルトがジロリとキングを睨む……が当のキングは怒りに満ち溢れていた。


「ふざけなさいで下さいプレジデントッ!! 今回の敗戦は明らかに貴方の責任だッ!!」


『ッ!?』


 キングの怒号に大統領室が響いた。


「貴方がジャップのハワイ攻略直前に二隻のエセックス級を大西洋に回航したのが原因ですッ!! ドイツは空母を完成させていてもまだ一隻、大西洋にエセックス級空母が少なくても十分に勝てますッ!! あの時、二隻がまだハワイにあればオザワの艦隊は三隻の空母を失っていたはずでハワイはまだ守れているかもしれませんッ!!」


「……だがそれは単なる予想だ。私は勝利の結果が欲しいのだよ」


 ルーズベルトはキングの怒りを無視して淡々と述べた。


「……なら大西洋のエセックス級空母を太平洋に回します。構いませんね?」


「いや、大西洋の方はそのままだ」


「……プレジデント。貴方は今言いましたよね?勝利の結果が欲しいと。なら回航しても構わないのでは?」


「……良かろう。なら大西洋の作戦は今後どうするかね?」


「小型空母を中心にした艦隊を編成してUボート狩りに徹するのが一番です。エセックス級空母も万一に備えて四隻いた方がいいと思います」


「……良かろう。それで手を打つしかないか」


 ルーズベルトは漸く認めたのである。


 そして、キング達も退出をして残ったのはルーズベルトただ一人。


「……くそッ!! キングの野郎……よもや私に逆らうとはな……」


 ルーズベルトはここにはいないキングを罵倒する。


「……まぁいい。どうせ戦争が終われば奴もお役ごめんだ」


 ルーズベルトはニヤリと笑う。


「だが……キングの言うことも一理ある。やむを得んだろうな」


 ルーズベルトは深い溜め息を吐いた。





――第二機動艦隊旗艦翔鶴――


「……姫神、それは本気で言っているのか?」


 翔鶴の作戦室で、山口多聞は三笠に聞いた。


 作戦室には他の幕僚もいる。


「はい。ハワイ攻略のために三個機動艦隊がいるのは少々勿体無いです。なら、ここは第二機動艦隊がやるべきかと思います」


「……だが危険過ぎないか?いくら攻撃目標が『アソコ』だとしても」


 古村参謀長が難色を示している。


「それならば第一機動艦隊から何隻か提供してもらいましょう。流石に赤城や加賀は無理だと思いますが蒼龍や銀鶴なら大丈夫かと思います」


「……山口長官、どうしますか?」


 古村参謀長は山口長官に訪ねた。


「……私の権限では決定出来んな。一先ず豊田長官に具申しよう。姫神もそれで構わないな?」


「はい。出来れば早めに」


「うむ」


 山口長官は頷いた。









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