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反逆の大東亜  作者: 零戦
112/143

第百十一話

ヤマト2199は見に行くべきです。






「傷の具合はどうですか蒼龍さん?」


「何とか大丈夫よ大鳳。あんたは大丈夫そうだけどね」


 第一機動艦隊旗艦の大鳳は蒼龍の防空指揮所で、蒼龍の様子を見に来ていた。


「私の飛行甲板は七五ミリの装甲が敷いてありますからね。掠り傷ですよ」


「……成る程ね。だから胸も貧に近いのね」


 蒼龍がじいっと大鳳の胸を見る。


 大鳳の胸はツルツルペッタンまでではないが、貧に近い方である。


「……何か言いましたか?」


「い、痛い痛い痛いッ!! き、傷口を触らないでッ!! 指を押し込まないでッ!!」


 蒼龍は弱点を攻められて悶えている。


「いらない事を言うからですよ」


「……そんなに私の胸が憎いわけなの?」


 蒼龍はドーンと胸を張る。


 その拍子で蒼龍のそれなりに大きい脂肪の塊がプルンと震えた。


「……………」


「だから痛い痛いッ!! 血、血が出てるッ!! 指でかき回さないでッ!!」


 蒼龍が悲鳴をあげるのであった。


「……何をしているのやら……」


 それを見ていた飛龍は溜め息を吐いた。


「雲龍、痛いところはある?」


「大丈夫です飛龍さん」


 飛龍は被弾している雲龍に包帯を巻いている。


「すみません飛龍さん。わざわざ包帯を巻いてもらって……」


「構わないわよ。天城がショック受けてるからね」


 雲龍の妹である天城は雲龍の傷口を見て泣いており、加賀が看病していた。


「まぁ二人は実践が初めてだから仕方ないわそのうち慣れるわよ」


「は、はい」


 雲龍は頷いた。


「炎龍さんは大丈夫でしょうか?」


「爆弾が三発命中して飛行甲板が使えないけど本人は至って平気よ」


 炎龍は赤城に包帯を巻いてもらっていた。


「ありがとうね赤城」


「いいわよ。仲間だもん」


 赤城が笑う。


 第一機動艦隊は傷つきながらも真珠湾を目指していた。





――1345戦艦部隊旗艦大和――


「報告ッ!! 敵戦艦部隊の一番艦はアイオワ型ですッ!!」


「……アイオワ型か。とすると一番艦のアイオワだろうな」


「敵さんに大和と武蔵の五一センチ砲の威力を見せてやりましょう」


「うむ」


 松田参謀長の言葉に宇垣長官は頷いた。


「左砲戦をする。砲雷撃戦用意ッ!!」


「了解ッ!! 左砲戦準備砲雷撃戦用意ッ!!」


 大和と武蔵の五一センチ三連装砲六基が旋回して迫りくる米戦艦部隊に照準を合わせる。


「距離四万二千ッ!!」


 見張り員が報告する。


「撃ちぃ方初めェッ!!」


「撃ェッ!!」


 砲術長が発射引き金を引いた瞬間、大和の五一センチ砲九門は紅蓮の炎をあげた。


 武蔵もそれに続いて大和同様に五一センチ砲九門が紅蓮の炎をあげた。


 日本海軍が夢に見た米戦艦部隊との艦隊決戦が始まったのであった。





――米戦艦部隊旗艦アイオワ――


「敵先頭艦と二番艦発砲ッ!!」


「何?」


 見張り員からの報告にリー中将は驚いた。


「ジャップはもう撃ったのか」


 遠距離から撃ってもレーダー照準でないかぎり当たりはしない。


 それがリー中将達の見解だった。


 しかしそれは脆くにも崩れさするのであった。


「だんちゃあぁぁく今ッ!!」


 時間を測っていた士官の言葉と共にアイオワの周囲に五一センチ砲弾が落下して水柱をあげた。


「ウワアァァァッ!?」


 爆風で艦橋の窓ガラスが割れてリー中将達に切り傷を作る。


「な、何だこの衝撃波はッ!?十八インチ砲なんてもんじゃないぞッ!!」


 リー中将は割れたガラスを払いながら叫ぶ。


「ヤマトとムサシは十八インチ砲ではないのかッ!?」


 情報によればヤマト型は四六センチ砲を搭載していたはずだ。


 アイオワと交戦すればアイオワも何処かに勝機があるとリー中将は踏んでいた。


「まさか……ヤマト型は初めから十八インチ砲ではなく、その上だったというのか……」


 リー中将は愕然とした。


「敵戦艦再び発砲ッ!!」


 見張り員の叫びと共に再び五一センチ砲弾がアイオワに落下してきた。


 それは命中弾も出していたのである。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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