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第13話:アスタロテ

ボクはアスタロテの家の中に入った。


狭い場所で行き来する空気の流れを感じた。


家の大きさはアインシュタイン家のように広くないのだろう。


「さあ、その娘をベットまで運ぶわよ」


ボクはとりあえずアスタロテの言うとおりにする。


リーゼを早く休ませないといけない。


「待って、私がその娘を運ぶわ。貴方は小さいから危なくて見てられないしね」


少しからかうような感じで言ってくるアスタロテ。


本当にアスタロトの妹なんだろうか。


アスタロトとは雰囲気が違いすぎる。


だからこそなのか、素直にリーゼをアスタロテに預けてしまった。


ボクが歩くところに血の匂いが残ってきている。


そういえば、ボクとリーゼは血まみれなんだった。


家を血で汚してしまってる。


「家を汚したことは気にしなくても良いわ。それよりもかなり衰弱しているようだけど、ゆっくり休めば直に元気になるわ」


アスタロテは自分の服が汚れるのも気にせず、リーゼを支えていた。


「まずは真っ赤でべとべとの服を脱がすわよ。エテルナ、ちょっとこの娘を支えていて」


ボクはリーゼを背負うように支えた。


アスタロテが服を脱がしているのかリーゼの服が引っ張られる感触が伝わってくる。


「さすが、目が見えないわけだから全然平気と言う訳なのね…」


アスタロテは何か呆れるような声でボクに言ってくる。


何が全然平気なのだろうか。


ボクとアスタロテはリーゼの服を脱がせてベットに寝かせるんだった。









ボクはリーゼが回復するまでアスタロテの家に居候することになった。












一日目。


リーゼは目覚めない。


ボクは血で汚してしまったアスタロテの家を掃除した。


あの恐ろしいアスタロトの妹の家だけど、世話になってるからこれぐらいしないといけない。


家の中は木々の匂いがして自然に囲まれたように心地よかった。


アスタロテはただ何も言わずボクとリーゼを家に置いてくれた。











二日目。


リーゼは目覚めない。


ボクはリーゼの服から血を洗い流すために水を取りに行った。


アスタロテが山に流れる川まで案内してくれたんだ。


「昔は姉様と一緒にこうして川に行って水を酌んでいたわ」


ボクの手を引きながら懐かしげに語るアスタロテ。


やっぱりアスタロトとは全然違う。


アスタロテの手はリーゼの手とは違う暖かさだった。










三日目。


リーゼは目覚めない。


「ほら、これは貴方の大切なものなんでしょ」


ボクはアスタロテから何かを受け取った。


歪な輪っかでその中では強く張っている糸が何本もある不可思議な物。


ボクの宝物であるハープだ。


てっきり戦場で無くなったものかと思ってた。


ハープは変わらずボクの手に馴染んでいた。


「姉様は言ってたわ。貴方の弾くハープの音色は天使の歌のように美しいって…」


ボクがアインシュタイン家で孤独を癒すためにハープを弾いていたときだった。


『綺麗な音色だ。まるで天使が歌っているように聞こえたよ』


あのときに初めてアスタロトに出会ったんだ。


「ねえ、私にも姉様を魅了した天使の歌声を聞かせてくれない?」


ボクとリーゼの世話をしてくれてるんだ。


だから、ボクはお礼の意味を込めてアスタロテにハープを奏でた。


アスタロテの家は狭いからボクの音色が家全体を包むように響いていく。


「もし、貴方が奏でる音色が汚いのだったら、世界に響く全ての音が汚いでしょうね」


アスタロテはボクのハープの演奏に拍手をしてくれる。


喜んでくれたようだ。












四日目。


リーゼは目覚めない。


どうして、ボクとリーゼを助けてくれたの。


ボクはアスタロテに聞いてみた。


アスタロテはボクの質問に意地悪そうに笑ってた。


「さあね、単なる気まぐれよ。気まぐれな私に感謝しなさい、可愛い天使さん」


アスタロテはそう言って、ただただ笑っていた。


気まぐれでもボクとリーゼを助けてくれたんだ。


感謝しないといけない。


だから、ボクはアスタロテにもう一度ハープを聞かせたんだ。


今のボクにはこれしかできないから。


いつの間にかボクはアスタロテに対して警戒しなくなっていた。












五日目。


リーゼは目覚めない。


ある時、アスタロテはボクに質問してきた。


「貴方は神様を信じてるの?」


昔は信じてたけど、今はリーゼとアインシュタイン家のみんなだけを信じてるんだ。


ボクの答えに満足したのか、アスタロテはボクの頭を撫でてくる。


ふとボクはリーゼによく頭を撫でてもらったことを思い出す。


いつリーゼは目を覚ますんだろうか。


ボクの不安をアスタロテが気遣ったのか、抱きしめてくれた。


リーゼとは違う香水の匂いがする。


ボクの目からなぜか涙が零れてくる。


アスタロテの暖かさでボクは糸が切れたかのように泣いてしまった。


「今は私があの娘の代わりになってあげるわ…」


アスタロテはそう言って優しく抱きしめてくれた。












六日目。


リーゼは目覚めない。


「二人の画家が互いに同じ景色を描こうとしました。さて、二人は同じ絵を描けるでしょうか?」


アスタロテはボクに問いかけをしてくる。


答えは同じ絵を描けない。


「そう、二人は同じ絵を描くことは絶対に出来ないわ。見る角度、立ち位置、描く技術、捉え方、全てが違うから。そこで同じ絵を描けない二人は果たして同じ神様を信じることが出来るのかしら?」


多分、信じることは出来ないと思う。


「姉様は言ってたわ。人の数だけ神様が存在するって。それはまさしく真理だと思うの」


人の数だけ神様がいる。


死んだお母さんも同じことを言っていた。


「右頬に傷がある人を右側から見れば醜く見えても左側から見れば美しく見えてくる。見る方向を違えば同じ物でも異なる物に見えてくるものなのよ。けど、同じ物を見たいのなら、限りなく同じ方向で見ればいい」


確かに同じ方向から見たら同じ物に見えてくると思う。


ボクは目が見えないからみんなと同じ世界が見えないけど。


「神様も同じ。同じ神様を見たいのなら限りなく同じ位置で同じ視線で見ていけばいい。けど、例えば、ある二人が互いに正反対の方向から同じ神様を見ていたらどうなるのか?」


同じ神様が違う神様に見えてくる。


「半分正解ね。確かに神様に関してはそうよ。けど、互いに正反対に見ている二人はそれだけでは終わらないの。分かるかしら?」


分からない。


いったいアスタロテは何が言いたいんだろう。


「二人は正反対に向き合ってるけど、互いの姿を見ることが出来ないの。だって、互いの視線の先には神様がいるのだから。互いの姿が見えなければ、どうなるのか?」


アスタロテは息をつく。


ボクはアスタロテの話を静かに聞いていた。


「見えなければ分からないわ。理解できない。疑いを持つ。不安になる。恐れを抱くようになる。そして、争っていくのよ」


セフィロードは自分が信じる神様以外の神様を信じている人を悪魔と言ってた。


「正反対に神様を見ている二人は互いに見えないから、互いに見えている神様を分かり合うことができない。だから、互いの神様を肯定するために戦い、互いに理解できない神様を排除していくの」


それでセフィロードは違う神様を信じる他の国に戦争をして、理解できない神様を排除してきたんだ。


「この話にはまだ続きがあるの。正反対で神様を見れば争うことになるかもしれない。けど、逆に二人が限りなく同じ方向で神様を見ていたらどうなるのか?」


今度は分かった。


二人はお互いの姿が見えるんだ。


「正解よ。二人は横を向けば、互いの姿が見ることができるの。だから、互いに分かり合えてくる。例えば、どんな神様が見えたのか、どこが違って見えたのかを。そして、二人は少しでも互いに同じ神様が見えるように寄り添っていくのよ。恋人や家族みたいに愛し合うかのように…」


アスタロテはボクの頭を撫でてくる。


リーゼと同じように優しく慈しむかのように。


「貴方達二人を助けたのは昔の姉様と私の姿を重ねて見えてしまったからなの。貴方達二人は互いに同じ神様を見て、愛し合うかのように寄り添っていた。私と姉様が失ってしまったものを持っていた。だから、放ておけなくて助けたのよ…」


ボクとリーゼは同じ方向で神様を見ていたようにアスタロテには見えてたんだ。


そういえば、昔のアスタロトとアスタロテはボクとリーゼと同じだとアスタロテは言った。


だったら、昔でない今のアスタロトとアスタロテは互いに違う方向から神様を見てるということなんだろうか。


「姉様と私は元々戦災孤児だったの。先のない毎日の生活に不安で怯えていた私の手を姉様はいつも優しく握って励ましてくれたわ。私にとって姉様は誰よりも強く優しい天使だったの…」


懐かしく、けれど悲しげにアスタロテは語っていく。


昔のアスタロトはアスタロテにとって天使のような存在だったんだ。


「けど、姉様は変わってしまった。天使が神様から天罰を受けて悪魔になってしまったかのように…」


アスタロテの声が震えていた。


「姉様と同じように神様から力を貰った貴方なら想像できるでしょう。姉様が変わってしまった理由が何なのかを…」


アスタロトが天使から悪魔になった理由が何となく分かってきた。


簡単なことだった。


神様から力を貰ったからアスタロトが変わってしまったんだ。


「姉様が神様から頂いたものは大いなる叡智。世界の全てを知る力。姉様は世界を知り尽くしてしまったのよ…」


アスタロトは本に書かれてない魔法を使ったり、未来の兵器のことを知っていたけど、それが大いなる叡智なんだろうか。


「それはほんの一部分にしか過ぎないわ。世界の全てを知ると言うことは世界の仕組みを知るということなの」


世界の仕組み。


どういうことなのだろうか。


「なぜ人は愛し合い、争い合うのか。なぜ空が青いのか、太陽が昇って沈むのか、風が吹くのか、雨が降るのか、雪が降るのか、命が生まれ死んでいくのか。そして、なぜ世界が作られ壊されていくのか。全て、そう、全てが分かり、全てが見えてしまうのよ。知りたくないことも目を背けたいことも信じたくないこともね」


それは何だかとても恐ろしいことのように思えた。


必死にあがいても、無駄だと分かってしまうのは悲しい。


誰もが答えを見つけたくてがんばっているのに、がんばらなくても答えが分かってしまうのはとても空しい。


死んだお母さんが言っていた。


先が分からないからこそ希望を持てるのだと。


先が見えないからこそ夢を抱けるのだと。


アスタロトは世界の全てを知ったから夢も希望も無くなってしまった。


だから、世界に絶望して天使から悪魔になってしまったんだ。


「姉様は全てを知ったが故に自分と限りなく同じ方向で神様を見てくれる、寄り添え合える相手がいなくなってしまった。姉様が見る神様を理解してくれる人が世界からいなくなってしまったの。けど、姉様は絶望した世界で希望を見つけたのよ」


アスタロテの吐息がボクの鼻をくすぐる。


ボクの顔を覗き込んでるんだ。


「それがエテルナ、貴方なのよ」


ボクがアスタロトにとって希望。


『私と君は片翼の天使だ。二人で寄り添えば、天の頂まで飛び立っていけよう』


『なぜならば、私は君と同じ存在だからだ』


アスタロトはボクだったら自分が見る神様を理解してくれると思った。


だから、アスタロトはボクを手に入れようとしてきたんだ。


けど、ボクはアスタロトが見る神様なんか理解できない。


ボクは目が見えないんだから。


「それは違うわ。貴方は目が見えないからこそ、誰よりも見えているのよ。それこそ姉様が世界の全てを見渡す遙か先の彼方までね」


目が見えないボクが誰よりも見えている。


ボクが何を見えているんだろうか。


「例えば、私と姉様は双子だから顔と姿が同じで、二人のどちらが私で姉様かを間違えられることがある。けど、貴方は私と姉様を間違えるかしら?」


アスタロトとアスタロテを間違えるなんて絶対にありえない。


これだけは絶対的な自信を持って言えた。


「それが答えよ。貴方は私と姉様の顔や姿が見えない。けど、私と姉様の内面は見えている。目が見えないからこそ、私達自身そのものを見ようとしている。だからこそ、誰よりも深く見渡していけるのよ」


確かにボクは目が見えないけど、見えないなりに相手を見ようとしてきた。


「姉様は神様を全ての方向から見渡せるけど、それは外面上でのこと。神様の内面までは全然見えていないのよ…」


ボクは神様には会ったことがあるけど、少ししか話したことないし、内面なんか見れるわけがなかった。


神様の内面ってなんだろう。


「姉様は貴方の力と自分の叡智を合わせて、かつての神様が支配していた世界を復活させようとしているのよ」


ボク達が生きる世界が作られる以前にあった神様の世界。


だけど、神様が力と叡智に溺れて滅ぼしてしまった世界。


アスタロトは滅びた神様の世界を復活させようとしているんだ。


余りにも壮大すぎる話だった。


「生きとし生けるもの全てが同じ方向で同じ神様を見る世界、完全なる神様の世界。姉様が目指している世界よ。けど、完全なんて存在しえないもの。本当に完全だったら神様の世界が滅ぶことなんて無いのだから。姉様は神様の内面が見えていないから、それが分からないのよ。神様が何のために人に神の力と叡智をそれぞれ分け与えたのかを知ろうとすらもしない。誰よりも賢く、そして、誰よりも愚かな姉様…」


アスタロテはきっとアスタロトと同じ神様を見たかったんだ。


だけど、それが出来ない自分にもどかしさを感じた。


それでボクとリーゼを見て、昔のアスタロトと自分を懐かしく思ったんだ。


「互いに理解し合おうとするのは大事よ。でも、互いに相手の内面も見ていかないと結局外面上でしか理解し合えないわ。本当に寄り添って同じ神様を見たいのなら尚更よ」


人の内面ってなんだろう。


ボクには見えてるってアスタロテは言ってるけど。


「人の内面は心、相手の気持ちよ。互いに相手の気持ちを知り、互いの心を重ね合わせた時こそ本当に寄り添い合っていけるのよ」


アスタロテはボクを抱きしめていく。


「お願い、エテルナ。貴方は私や姉様のようにはならないで。貴方には寄り添い合える相手がいるのだから…」


アスタロテはボクを昔のアスタロトと重ねて見ていたんだ。













ボクはリーゼが眠っている部屋に入った。


リーゼは相変わらず眠っている。


ボクはリーゼの顔に触れていく。


滑らかな鼻立ち。


柔らかい唇。


すべすべした肌。


羽布団のようにふわふわした胸。


触ることでリーゼの姿が頭に思い浮かんでは消えていく。


思い浮かぶはずがない。


ボクは生まれたときから目が見えないのだから。


形や感触、熱、声、匂いとかをいくら覚えてもリーゼの姿までは見えてこない。


アスタロテはボクは人の内面を見ていると言ってたけど。


ボクはリーゼの内面を見ていたのだろうか。


ボクは年老いることもなく死なない体を持っている。


リーゼにはボクが見る神様は見えないだろう。


ボクもリーゼが見る神様が見えない。


けど、ボクはリーゼの見る神様を見ようとしたのだろうか。


ボクはリーゼに神様の力のことを話してない。


だったら、同じ神様が見える以前の問題だ。


ボクとリーゼは互いの姿が見えていないんだ。


だから、理解し合うことができない。


同じ神様を見ることができない。


ボクが一方的にリーゼとは違うと考えてしまったからだ。


リーゼとお別れしないといけない。


でも、ボクはリーゼに自分の全てを教える義務があるんだ。


全てを話して、それから向き合わないといけないんだ。


だから、リーゼが起きたときには全てを話そう。


そして、ボクの気持ちを伝えて、リーゼの気持ちを知るんだ。













七日目。


リーゼの体が僅かだが、動いた。


もうすぐリーゼが目を覚ますんだ。


「そ、そう。やっとあの娘が起きるのね…」


アスタロテは何かを躊躇うかのようなぎこちない話し方だった。


いつもは明快で透き通るような声を出すはずなのに。


「ねえ、エテルナ…」


何か言いづらいような悲しいような声。


「私とここでずっと暮らさない?姉様のことは何とかしてみせるから…」


何を言ってるんだろうか。


アスタロテはアスタロトの妹だけど、嫌いではなかった。


むしろ好きな感じだった。


でも。


ボクはリーゼをアスガルドに帰さないといけない。


ボクの全てをリーゼにうち明けないといけないんだ。


だから、アスタロテとは一緒に暮らせないんだ。


「そう、残念だわ。本当に…本当に…」


とても悲しそうな声を出していた。


「あの娘はもうすぐしたら目が覚めるわ。側にいてあげたらどうなの?」


何だか冷たいような感じの声になった。


けど、リーゼが目を覚ますんだ。


早くリーゼが眠るベットの側に行こう。














ボクはリーゼのベットの側に来た。


「エテルナ、良い物をあげるわ」


アスタロテはボクの手を取り、手首に何かを嵌めていく。


何を嵌めたんだろうか。


何かぬるぬるして柔らかくて血の匂いがして。


血の匂い。


「これは屍魔の腕輪。何百何千もの魔力を持った人の血肉を合わせて作った腕輪。私が伝承魔法を発動させることが可能となった姉様の兵器よ」


アスタロテが伝承魔法を使えるようにした腕輪。


アスタロトが作った兵器。


「その腕輪には空間転移の魔力を込めたわ。行き先はセフィロードよ…」


アスタロテはボクの手を取り、リーゼの手を握らせた。


「ごめんなさい、私は姉様の命令には逆らえないの。悪魔になってしまった姉様でも…やっぱり私の姉様なの。私は貴方のことが好きだったわ。だって、昔の姉様みたいにハープを聞かせてくれたし…」


アスタロトはボクと同じようにハープを弾いていたんだ。


ボクの頭に熱い滴が落ちてくる。


アスタロテの涙だった。


「もっと…もっと違う形で逢えていたら…私達は…」


ボクの唇に熱く柔らかい何かが一瞬押しつけられた。


アスタロテがボクに口づけをしたんだ。


別れの口づけ。


ボクとリーゼの周囲の空気が不自然な流れになってくる。


ボクとリーゼはアスタロテによってセフィロードに送られてしまうんだ。


でも、ボクはアスタロテを恨むことなんてできなかった。


セフィロードに送るためだったとはいえ、ボクとリーゼが助かったのはアスタロテのお陰だ。


アスタロテとは七日間一緒に過ごしたけど、とても楽しかった。


アスタロトの妹だったけど、アスタロテはとても優しかった。


ボクはアスタロテに色々なことを教えてもらった。


ボクがすべきことを。


リーゼと向き合おうと決心させてくれたのアスタロテだ。


「さようなら、エテルナ。貴方と出会えて本当に良かったわ…」


ボクとリーゼは一瞬宙に浮いたような感じになってセフィロードへ飛ばされていく。


ボクの耳に最後に聞こえたのはアスタロテの泣き声だった。

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