第0話:エテルナ
この作品は主人公エテルナの一人称、エテルナの視点で終始進めていきます。エテルナ自身の目が見えないなりに子供ながらの解釈で物語を紡いでいくことになります。生まれつき目が見えないから、目が見えないことにあまり悲観はしていません。設定では目が見えなくても空気の流れや音で視覚以上に空間を認識できるということにしてます。
これは一人の見目麗しい少年の物語。
戦乱で弱き者が淘汰される時代、ある村で家族と共に貧しい生活を懸命に生きる少年がいた。
少年の名はエテルナ。
ただのエテルナ。
女性的な名前である通り、少年の容姿は絶世の美少女と言って差し支えないものだった。
輝くような銀髪、ミルクのように白い肌、神話に出てくる両性具有の神であるかのような美しい少年だった。
ただ少年は生まれつき目が見えなかった。
それでも少年は長年の生活から風の流れ、生き物の匂い、他の感覚により視覚以上に周囲の空間を判断することが出来たのだった。
少年は村の住民に可愛がられ愛されていた。
苦しい生活だったが、家族に囲まれ少年は幸せな日々を送っていた。
だが、そんな幸せな生活も長くは続かなかった。