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郭図に転生したのだが、俺は袁紹を勝たせていいのだろうか  作者: みらいつりびと


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サラリーマン郭図

 俺はサラリーマン根性に染まっている。

 社長や上司には従う。

 いまの俺にとって、社長に当たるのは袁紹だ。

 沮授は同格の都督で、同僚だ。上司は袁紹だけ。


 社長を勝たせるよう尽力しよう。

 歴史の帰趨なんてむずかしいことは、俺にはわからない。

 それが俺の出した結論だった。

 俺は沮授に反対する意見を言わなかった。


 黎陽に曹操軍を引き込んで包囲するという沮授の策が採用された。

 郭図の黄河渡河作戦は実施されず、顔良は関羽に討たれなかった。

 戦いは持久戦の様相を呈した。


 曹操軍に焦りが見える。

 もし曹操が逸って逆に北岸に渡河してきたら、袁紹軍は圧倒的な兵力差を活かし、曹操軍を撃滅できるだろう。

 だが、曹操はそれほど愚かではなく、白馬と官渡の中間地点、延津へ退いた。


「曹操軍は延津に退き、白馬が空白地帯になりました。戦わずして黄河を渡ることができます。全軍を南岸へ移しなさいませ」

 沮授は言った。自然な川の流れのような作戦である。


 郭図である俺も袁紹から意見を求められた。

「郭図、どう考える?」

「沮授殿の作戦を支持します」俺は言った。

 袁紹は沮授の作戦を採用した。

 袁紹軍は南岸の白馬に陣地を移した。


「これからどうする」袁紹は言った。

「決着を急がず、じりじりと敵兵を削って、長期戦に持ち込みましょう」沮授は答えた。

「その後は」

「敵は必ず官渡城に籠もります。包囲して、兵糧攻めをしてやればよいのです。官渡など、易京に比べれば、単なる砦のようなもの。籠城させれば、曹操を生け捕ったも同然です」


 袁紹は俺にも目を向けた。

「沮授殿の考えは重厚です。そのようになさるとよいでしょう」俺は言った。

「そうしよう。沮授、郭図、淳于瓊、作戦をじっくりと進めよ」

 兵力をいささかも失っていない袁紹は、落ち着いていて、大将としての貫禄があった。


 荀攸は長期戦を狙い、袁紹軍の兵力を漸減させる戦略を立てていたが、袁紹側も長期戦をいとわない展開となった。

 尋常な会戦になると、困るのは兵力が少ない曹操軍である。

 袁紹軍は堂々とした布陣で、ゆったりと延津へ進んだ。

 曹操は戦わずに原武へ退いた。

 

 原武で曹操は魚鱗の陣を敷いた。袁紹は鶴翼に陣を開いて包囲しようとした。

「まともに戦ってはなりません」

 荀攸の進言に従い、曹操は会戦を避け、さらに陽武まで下がった。


 袁紹軍が悠々と追う。

 曹操は伏兵をひそませていたが、袁紹軍の精鋭、張郃隊に簡単に打ち払われた。

 沮授の作戦で動いている袁紹軍は強い。

 曹操は陽武も捨て、ついに官渡城まで撤退した。

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