1話「願いの始まり」
初めましての方は初めまして、普段はpixivやプリ小説に生息している春風と申します。
あまり書くのはうまくありませんが、不定期に更新していくつもりですので温かい目で見ていただけると幸いです。
(…死のうかな、死にたいな)
それはふと、心からこぼれ落ちた。
まるで、今まで見て見ぬふりをしていたかのように。
明るく生きてきた人生には似合わない言葉だった。
(でも、全部偽物だったもんな…)
人に好かれるために、笑った。
でも、できたのは考えの合わない友人と胸糞が悪くなるような二人の部活の仲間のみ。
結局私が好かれることはなかった。
母はヒステリックだった。
普段はいい母親だったのかもしれないけれど、気分の悪い時の怒鳴り声や指摘は私の心を抉り、やがてそれは穴となった。
まず信じられなくなったのは母だった。
普段のいい母親すらも、まるで自分を邪魔者のように見ているように感じた。
愛想も容量もいい妹と話す時は笑っているのに、私と話しているといつも途中で豹変する。
やっぱり、私は愛されてなんていないんだ。
そう思うのに、時間はかからなかった。
そこからだろう、私が壊れ始めたのは。
一度何かに気づいてしまえば、同じだ。
あの人も、あの子も一緒。
母と同じ。
この人にも、この人にも私は愛されてなかったし、嫌われていた。
それでも生きなきゃいけなかったから、笑った。
できないことだらけだから、笑った。
気づけば、笑うことしかできなくなっていた。
誰かがいるときは、話を聞いて笑って。
自然と、そうなった。
味方なんていない。
愛してくれる人もいない。
「…もう、疲れたや」
一度蓋を開いてしまえばもう戻らない。
ーーーーーーーーー*ーーーーーーーーー*ーーーーーーーーー
私は、とある場所に進む。
そこは、人気のない小さな池。
山の中にある、小さな水。
昔、見つけた綺麗な景色。
死ぬならここで死にたかった。
なにで死ぬかは考えていない。
から適当に家にあったものを持ってきた。
ロープ、カッター、薬…
でもせっかくだから、溺死にしようかな。
そう思い、池の前に立つ。
(いろいろ持ってきたけど意味なかったな…まぁ、どっちでもいいか)
水面に映る自分の醜い顔の奥には暗い闇が見えた。
私は、死ねなかった。
足が、出なかった。
ただ、ペタリ、と地面に座り込んだだけ。
(…自分じゃ、死ねない。)
絶望に近い何かが、私の心を渦巻いた。
心残りなんてないはずなのに、人間の生存本能が邪魔をする。
「もう誰か、終わらせてよ…」
ーーーーーーーーー*ーーーーーーーーー*ーーーーーーーーー
しばらく動けないまま、死んだように座っていた。
その時突然、ガサっと音がした。
動物か、と思い目を向ける。
熊とかならもしかしたら、と淡い期待を抱いて。
「…ぇ」
目に映ったのは、熊ではなかった。
生き物ですらなかった。
いや、片方は生きてはいる。
だがその片方は、元生き物を抱えていた。
「ひ…と…?」
腹部あたりから大量の赤黒い液体を流しているそれを抱えた人間。
自身も赤黒い液体を身体中につけており、その瞳は静かに私を見据えた。
「…なにあんた」
(あぁ、この人なら…)
恐怖する体とは裏腹に、歓喜に震えた。
この人は、今私が求めていた人だ。
真っ直ぐに目を見つめ、乾いた唇で掠れた声を出す。
「…ねぇ、私を…」
“殺して”
ここまで読んでくださってありがとうございました!
次回も頑張ります!




