崩壊
「異世界って戦車とか戦闘機あったの?!」
「そんなに驚くことかしら?」
「魔王とかゴブリンとか...」
「魔王はいないわ、けどゴブリンとかエルフとかは居る」
「人間に敵対してるんでしょそいつら?」
「いいえ、種族が同じでも国の主義主張が違うから戦争は起こるわ」
「この世界の小説や漫画だと人間が正義なんだけどな...」
「正義は相手にとっては悪であることもあるのよ」
私は川崎茜、薬局を経営している龍神と人間のハーフの女だ。そして彼女はエブリン・スカーレット”Evelyn Scarlett”、紫色のショートボブヘアの白人女性だ。
「知ってるよそれくらい」
「私は『ダルタニア公国』という国で夫のエリオットとこの店を経営してた」
「夫?ということはそのお腹には...」
「えぇ、彼との子供よ」
「エリオットさん居ないの?」
「戦死したわ」
「戦士、魔法で殺されたの?」
「銃弾にあたっって死んだ」
「銃弾?待って魔法の世界なのに鉄の弾使うの!?」
「魔法よりも早く敵の兵士を殺せるから、それだけよ」
「冗談でしょ」
「一応、魔法の杖も持っていくけど余裕のある時にしか使わないわ」
私の知っている異世界の常識が崩れていくのを実感した。やっぱり戦争って人を変えちゃうんだ...
「何かごめんね暗い話ばっかりで...ん?これは?」
「あぁ、それあっちに居た時の書類」
「何て読むの?」
「個人情報です」
「もしかして、公務員?」
「えぇ、そうよ」
「戻らないの?」
「そうね」
「そっか、あ、これ家の薬局で取り扱ってる薬。良かったらどうぞ」
「ありがとう」
「次からはお金取るんだっけ?」
「当然よ、私も商売人ですもの」
身体がだいぶ軽くなった。あの女(浅霧睡蓮)に連れられてきたけど。いい店である事には代わりは無かったし、本もたくさんあった。後で借りにこよっかな。




