第一話 『平世』と『憎世』
ここは憎世。俺たち憎世人は生まれた時から一つ超能力を手にすることができる。この超能力を駆使して生き残るのがこの憎世での理。俺の名前は残愛。『残された愛』で残愛と書く。そして、俺は今こんな気持ちの悪い名をつけた親を探す旅に出ている。俺の親は、憎世の果てにいると言う噂がある。だが、これまで憎世の果てにたどり着いた者はおらず、伝説の地として語り継げられてきた。
旅に出てから3年が経った頃だった。俺はパーティを組むことにした。パーティを組めば魔物に襲われても対処がしやすくなる。俺は、優秀な超能力を持つ縡臥璢、䵷鑼禰、そして憙嵒とパーティを組んだ。そして、パーティ同盟を結んだ夜、宿泊所で話している最中に俺は初めて『平世』という世界を耳にし、興味が湧いた。
「平世?一体どこだそれは?」
「こことは違って超平和な世界らしいよ。一部を除いては人殺しもしないらしい」
「流石にそれは嘘だろう」
「いいえ、憙嵒。これは全て本当です」
「、、まじか」
「䵷鑼禰、平世に行くことはできるのか?」
「おそらくは不可能かと。未だかつて平世に行けた憎世人は存在しないと言われております」
「言っちゃえば憎世の果てと同じようなもんさ」
縡臥璢が付け足す。
「そんくらい伝説的な場所ってとこなのさ、平世は」
「でもそこにも人はいるんだろう?そいつらにとっちゃ平世はただの日常世界じゃねぇか。ずりぃなぁ、、」
「確かにそうでございますね」
平世か、、。一度訪れてみたいところだな、、。そう思っていたら宿泊所の壁がぶっ壊れた。