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派遣社員の人生やり直し 日本の未来を変えるために各種ゲーム製作から成り上がる!大学生編  作者: 水源
昭和63年(1988年)

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89/100

高桑さんの料理の腕は矯正可能なようで良かったよ

 さて、高桑さんとの面談は無事に終わった。


 後は健康保険、厚生年金に労災保険や雇用保険などの保険関係などをすり合わせてから雇用契約を無事に結んだ。


「これで正式に住み込み家政婦としての手続きは終了です。

 高桑さんには当面の間は13階の空き部屋に住んでいただきます」


 北条さんがそう言うので俺も言葉をかける。


「あー明日の5月2日の火曜日から日曜日まではゴールデンウィークで、大学も会社も休みだけど高桑さんはいつ頃に引っ越しをする予定かな?」


「あ、できれば早く家は出たいです。

 この歳ででいつまでも家事見習いとして実家にいるのはやはり気まずいですから……」


「なるほど、じゃあ今のうちに部屋の間取りを見てもらって、明日一日で引っ越しの準備ができそそうなら明日の夕方にでも引っ越しをしてしまおう。

 最低限で調理や洗濯なんかの家事に必要な家具や寝具なんかは経費としてこちらで買い揃えてもいいしね」


 俺がそういうと北条さんが言う。


「まあ、家事手伝いではご自分では貯金もできなかったでしょうし生活に必要な身の回りの品や引越しにかかる費用などは最低限こちらで用意したほうがいいでしょうね。

 まあその分頑張って働いてはいただきますが」


「あ、はい頑張りますのでよろしくお願いします。

 では早速お部屋などを拝見させていただいて、いいでしょうか?」


 高桑さんの言葉に北条さんが頷いて言う。


「ええ、高桑さんのお部屋は洋室6畳が一部屋、LDKが12畳の1LDKですが一人住まいでしたら十分な広さだと思います」


「はい、それはもちろんです」


 まあ、一人暮らしなら普通は1LDKでも十分だよな。


 ワンルームや1K、1DKだと流しと被告地コンロだけのミニキッチンで下手するとまな板も置けなかったりするんだけど1LDKだと、まな板や洗った皿を置けるスペースもあるし、2口コンロも普通についているしな。


 まあ、高桑さんはメシマズらしいから自分で料理はしないかもしれないけど。


「それから、今は上杉さんにやっていただいている夜の方面ですが、高桑さんにもやってはいただくのですが、上杉さんが妊娠している可能性が高いのもありますので、当面の間、具体的には半年ほどは避妊は確実に行っていただきたいと思います」


「え、あ、うん、そりゃまあ、ふたりとも同じ時期に妊娠してしまったら困るもんね」


 俺がそう言うと高桑さんが真っ赤になった。


「わ、わかりました」


「それはそうと高桑さんは料理の腕が壊滅的らしいけど実際に料理を作ってみてもらえないかな?」


 俺がそう言うと高桑さんは真っ青になった。


「お、お料理ですか?」


「うん、とりあえず手捏ねハンバーグあたりでどうかな?」


「あ、わかりました。

 男の人はハンバーグ大好きですもんね……」


「まあ、カレーとハンバーグが大嫌いな男は珍しいかな?」


「で、ではやってみますね。

 食材はどこで買えばいいでしょう」


 そう聞かれたので俺は新宿西口の高級スーパーの明示屋を地図で教えた後、一緒に買いに行くことにする。


「ここは一般的な食材から高級グルメ食材まで多彩に取揃えられているし、覚えておいて損はないと思うよ」


 俺はそう言うが高桑さんは値段を見て驚いているようだ。


「えええ~、ちょっとお高くないですか?」


「いやまあ、そう思うかもしれないけど、住んでる場所的にそれなりに見栄っていうのも必要でね。

 後、肉や魚は本当に値段で味が変わるから。

 本当は専門の精肉店や魚屋、八百屋とかで買ったほうが美味しい気がするけど」


「は、はあ……そういうものですか」


 この時代だと船橋とかだと肉屋、魚屋、八百屋に米屋や個人商店とかも普通にあるんだけど、流石に新宿駅前だとそういうのはないんだよね。


 だから、ちょっとお高いスーパーでないと美味しい肉や魚はなかなか手に入らなかったりする。


 というわけでお高い合いびき肉につなぎのパン粉や玉ねぎ、塩こしょうとナツメグ、牛乳に油などを買いまずはハンバーグの種を作ってもらう。


 玉ねぎのみじん切りなんかはうまく出来てるし、包丁を持つても危なげではない。


 それからみじん切りにした玉ねぎを軽く炒めるのだが……玉ねぎが飴色になったかと思ったら、焦げ付いた。


「なるほど」


「え?」


「ああ、高桑さんはとりあえず料理を続けてください」


「あ、はい」


 ボウルに牛乳、パン粉、合いびき肉、炒めた玉ねぎ、塩、こしょう、ナツメグを加えて粘りがでるまで混ぜ、空気を抜きながら小判形に成形し、冷蔵庫に入れ30分ほど寝かせる。


 そして両面に焼き色がつくまで焼いていくわけだが、やはり火加減に失敗し、ハンバーグの表面を黒く焦がしてしまう。


「うう、やっぱりうまくいかないです」


「そうでしょうね。

 玉ねぎを炒めてるときもそうですけど火力が強すぎるんです。

 なれないうちは玉ねぎの場合はレンジで4~5分ほど加熱するほうが良いと思います。

 あとハンバーグは最初は中火で裏返したら弱火にしないと焦げますし、そうしないと中まで火が通りませんよ。

 特にこのマンションのガステーブルは中華料理も作れるくらい強火は火力高いですし」


「そ、そうだったんですか」


「高桑さんの場合温度管理や時間管理が簡単なオーブンをつかってハンバーグを焼いたほうがいいかもしれません。

 まあ表面の焼き目だけは軽く中火でつけてから200度で10分も焼けば中まで熱が通りますよ」


「な、なるほど。

 確かに玉ねぎはレンジで、ハンバーグはオーブンで焼けばいいい感じにできそうです。

 でもオーブンって高いですよね」


「まあ、オーブンレンジで13万くらいだったかな?

 そんなに安くはないけどあると便利だよ」


 まあこの時代だと炊飯器やポップアップ式のトースターとかはまだともかく、オーブンレンジなんて趣味でパンやケーキ、クッキーあるいはグラタンなどをなどを焼いて作る家庭しか持ってなかったりするからなぁ。


 高桑さんの家にはなくても不思議ではないんだよね。


「とはいっても簡単なものはガスコンロで作れるようにしたほうがいいから、強火でも簡単には焦げたりしないチャーハンや野菜炒めとかで練習もしたほうがいいかな。

 ハンバーグとかムニエル、餃子なんかもそのうちちゃんと焦げないように焼けるようになるといいね」


「あ、ははは、はい、それなら私もなんとかできそうです。

 頑張ってみます」


「そういうのになれたら特に肉じゃがとか味噌汁スープなんかの汁物や煮物、ハンバーグやパスタのソースなど、繊細な味付けが決めてとなる和食を作る時は、味見をこまめにしていい火加減を忘れないようにすれば味は改善するよ」


「なるほど、そうだったんですね」


 世の中には何でもソースをかける、何でもマヨネーズをかける、何でも砂糖を入れるなどの味覚滅亡系のメシマズもいたりするのだが、高桑さんはそういうわけではなかったようで良かったよ。


 実際料理における火加減って結構難しいけど、多分高桑さんのお母さんが大雑把な人だったんだろうなぁ。


 ついでに掃除もしてもてもらったが、こっちは全く問題はなさそうだった。


 これなら料理も含めたハウスキーパーとしても期待していいかもしれないな。

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