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悪の勇者の異世界征服  作者: 東乃西瓜
二章  邪悪に魅せられた者たち
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兎と罪

 こいつは今なんと言った。

 嬉しい?どういう事だ?

 俺の動揺を誘う為の発言か?



「ナナシさん、少し昔話をしましょうか」


 そう言うとメアリーはぽつりぽつりと話し始めた。



「昔々、小さな女の子がいました。

 その子が6歳の時、周りの子と同じように魔力石で魔力量と適正を調べに教会に行きました。


 魔力量はとても多く、適正は白魔法。

 生粋の僧侶として周りの大人達ははやし立て、その女の子はそのままその教会に預けられました。


 8歳になった頃、その子は夢をみました。

 女神様が目の前に現れその子に言いました。

『貴方は勇者と共に世界を平和にするのです』

 その事を神父様に話すと神父様は私に言いました。

 すぐに勇者様と共に旅に出るのです、と。


 そこからはすぐ荷馬車に乗せられ勇者様の見つかったという街に行きました。

 そしてその子は勇者様と会い、勇者のパーティーの僧侶としてたくさんの街を助けました。


 たくさんの人が涙ながらにその子達にありがとう、とお礼を言っていました。


 でもある事件が起きました。

 それはある街で蔓延っている奴隷商人を捕まえるという依頼の時でした。


 たくさんの人に聞き込みをして、その子達は奴隷商人の居場所を突き止めました。


 そしてある日の夜、勇者のパーティーはその奴隷商人の居場所に乗り込んだのです。


 その子達がそこで見たものはたくさんの生物が奴隷を犯している光景でした。


 犯しているのは何も人間の大人の男だけではありません。

 見るからに年上の獣人のメスを犯す性に興味を持ち始めた男の子。

 若いエルフのオスを犯すシワシワの顔をした老婆。

 小さな人間のオスを犯す若い獣人。


 たくさんの種族のたくさんの生物が、たくさんの種族のたくさんの奴隷を犯している光景でした。


 それを見た勇者様は怒り、犯している生物をやっつけました。


 それを見た魔法使いは泣き、膝を着いて震えていました。


 ただ1人。



 それを見た僧侶は犯されていた奴隷を眺めていました。


 仕方なく犯されていた奴隷達は、ショックで泣いていたり、恐怖で震えていたり、怒りで歯を食いしばっていました。


 でも


 そこにいた奴隷のメスは見るからに股を濡らし、肩で息をしていました。

 そこにいた奴隷のオスは見るからに性器を膨らませ、肩で息をしていました。



 その子はその光景から目が離せませんでした。



 奴隷達を助け、街に戻り、その日は全員宿の違う部屋で寝ました。


 勇者様はもっと早く辿り着いていればと自分の無力さを嘆いていました。


 魔法使いは泣き疲れてすぐ寝てしまいました。




 そして僧侶は朝までずっと寝ずに自分を慰めていました。



 次の日は何もなく、皆別々に休みを過ごしました。

 結局昼過ぎまで自分を慰めていた僧侶はそのまま疲れて寝てしまいました。


 そして僧侶は夢を見たのです。

 その夢に出てきたのは神様でした。


『君の勇者は彼ではない。君の勇者はいつか異世界より君の前に現れる。その勇者は善人などでは決してない。しかし君の勇者は七つの大罪と共に、世界を平和に導くだろう』


 次の日からは本当の勇者様を探すために、その2人の旅に付き合っていました。


 その子はいつか目の前に現れる勇者様にこう名乗ろうと決めたのです」




「はじめまして勇者様。

 私は『色欲の癒兎 メアリー・ロッド』

  貴方の忠実な奴隷です」

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