地獄ってなんぞや

作者：骨董品

べちゃくちゃ

「ファンタジーでさ。」

「うん。」

「相手がいくら生き返ろうと即座に殺し続けるみたいなのあるじゃん。」

「あー、不死身のラスボスとかに使うやつね？あるっちゃあるけどどうしたよ。」

「あれって現実で全員に起きててもおかしくないよね」

「すまん。よくわからん。どゆことよ。」

「いや、まあ確かに俺たち多分生き返らないからちょっと違うか。なんというかどんな行動しても確実に死ぬみたいな。詰みセーブみたいなさ」

「例えはわかるが言いたいことはわからん」

「一回俺らが死んだ時点でそうなっててもおかしくないなって。」

「そうかもしれんがそれがどうしたよ。宗教でも作るつもりか？三人いれば宗教って出来るらしいぞ。」

「いやいやそんなつもりはねぇよ。たださ、なんで無限に死に続けなきゃいけないのかわからないのってきつくない？さっきのラスボスとかならまだ自分が悪いことしたってわかるかもだけど」

「あー、いや、それを教えてくれる存在とかいるんじゃね？」

「なんで？」

「いや知らんけど。いるかもなってだけ。」

「そう、仮にいたらどんなやつよ。」

「無茶振りが凄いな…。えっと、うーん。あっ、」

「なんか思い付いたか？」

「それこそ閻魔様とかなんじゃねぇの？お前はこの罪のせいです。みたいな。」

「あー。なるほど、なるほどねぇ。いや、それ結構面白いな。」

「そんな面白い答えだったか？わりとありきたりな答えだった気がしたが。」

「死んだやつ全員がおんなじ状態になってるって考えると面白いよ。」

「おんなじって、死に続けること？」

「そうそう。皆死に続けるから理由を求める、求める先は閻魔様。でも生前何してようと皆死に続けることにかわりはない。」

「…何が言いたいかわかった。要するに理由なんてでっち上げってか。」

「仮にこの死後の世界を覗いたやつがいたらきっと大罪人ばっか見たんだろうさ。だから悪人が地獄行きなんて話になる。」

「また話が飛んだな。どういうことよ。」

「永遠に死に続けるなんてお前耐えられるか？」

「肉体的には知らんが精神が死ぬだろうな。間違えなく。」

「だろ？ただたくさん罪を犯したやつは次の正当風な理由が聞けるんだ。そのせいで狂うに狂えない。」

「…お前趣味悪いよ。」

「話についてこれるお前も大概だと思うぞ？」

「はぁ…でもそうすると天国なんてないってことになるよな。」

「そりゃお前、死後の世界を覗いたやつがいたら悪人ばっか見てるわけだろ？そしたらきっと悪人じゃないやつは違うところにいると思うはずだ。違うか？」

「違わない、かもしれんがこういうのはどうだよ。」

「ん？」

「自分が死んだらって思ったんじゃねぇの？」

「…なるほどね。そりゃ、救いがほしいわなぁ。」

「で？結局なんの話よ。」

「…忘れたわ。まぁ少なくとも話そうとしてたことより面白い話できたわ。」

「そりゃどーも。はぁ無駄に疲れさせられたわ。」

「悪かったって。」

「まぁ面白くはあったわな。ちゃんと考えたら矛盾だらけだろうけど。」

「そりゃそうだよなぁ。誰だよ覗いたやつ。」

「誰だったら面白いかね。」

「クラスメイトのやつとか？」

「いや流石に時代新しすぎだろ。例えばさ、」

今日も二人の生産性のない会話は続く。

ほにゃらら