表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/21

お似合いな程に最低




「脅してるん?」


俺は内心焦りながらも、その心中を探った。


「もう、ここまできたら好きとかやなくて、後に引けなくなっとるだけやろ?自分。」

「仮に、俺の事情…過去をバラしたとして、御坂さんに何の得があるん?よかったら教えてくれへん?」


多分、普通に嫌がらせやと思うけど。


「困るかな…と思って。嫌なら、付き合ってよ。」


案の定や

最低すぎて清々しいわ


それならこっちも、それなりの態度をとらせてもらうで。


「ホンマに性格悪いな。人、助けたこと、初めて後悔したわ。そんなんで本気で付き合うてもらえる思ってんの、頭沸いてるんちゃうか?脅しとか…人として、あかんやろ。」

「俺、嫌いな人とか今までできたことあらへんけど、御坂めぐみ。お前の事は確実に好きにならない。」








「嬉しい」

「丈翔君の、特別になれたって事?だよね?そう受け取っていいよね?」



「…もち…い…じゃ」


「え?」




「気持ち悪いんじゃ、お前。ええかげんにせえよ。俺やって人間やねん。もうお前と話したない。とっとと消えてくれ。」



「今の、録音した。」




「は?」


「これ聞いたら、学校の皆さんどう思うかな?」

「今まで完璧を演じてきたんでしょう?尚更ショックが大きいんじゃないかなぁ?」






絶句。

こいつ、俺の弱点完全に把握しておる。


何やねん。ホンマに俺の事好きなん?

久々に歪みに歪んだ愛情を向けられ、俺はただ呆然としていた。

いや、両親のは愛情ですら無かったけど。

否、必死に頭を回転させた。


ここは付き合っておいて、後で考えんねや。


この秘密だけは、絶対に誰にも…



「分かった、付き合う。でも覚えとってな。俺はお前を好きにならない。絶対に。形だけでええんやったらそれは勝手にせえ。」

「絞りかすのお前に対する情をかって、アドバイスしてやる」


「最後まで、お前が傷つくだけやで。」


「いいの。これで私のものだもん。」






二年生の文化祭の日、俺には狂ってるとしか思えない彼女ができた。




俺は、こうやって人に支配される運命なんや。

今も昔も。




…違う。分かってんねん。

ホンマは運命なんかやなく、弱くて流されがちな自分が原因やと。

環境が変わっても、状況は変わらへんのや。


俺はそういったもののせいにでもしないと、何かが爆破しそうやった。


自分次第。

いつも言っていた、座右の銘のような、俺の考え方そのもの。




今はそれさえ失っていた。





嫌われてもええ。

それを体現して、今もなお続行中の奈良橋を


俺は心からうらやましいと思ったんだ。










閲覧ありがとうございます。


丈翔の話は今回はこれでおしまいです。

次回は、奈良橋サイドの現在に戻ります。


よろしくお願いします!


黒川渚

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ