帰りたくない
帰りたくないの
とにかく、ここにずっと居たい
いや、ここに居たいわけじゃない
帰りたくないだけなんだ
帰りたくないからって
誰かが嫌いとかそういうことじゃない
かと言って、好きなわけでもない
でも、そこは私の居場所じゃないから
だから帰りたくないんだ
それだけなんだ
どうしたらいいの?
そう誰かランダムに訊ねたとしたって
そんなもの
答えなんて誰かが出してくれるはずもない
簡単な答えがちゃんと、ある
帰らなきゃいいじゃん
たったそれだけなんだ
ああ、答えが出ちゃってるよ
そうだ
帰らなきゃいいんじゃん
なのに
帰らなきゃならないから
だから…
物事の大概は自分が起こして、大概どころか、全て自分しか解消することはできない
だから…
こんなことをここで書いていたってなんの解決方法も浮かび上がっては来ないのだし
あきらかに無駄なことをしているのであって
じゃあ、さりとて書かなかったとして、何か少しでも解消するのか?と言えば、それもそんなことはない
ほんの少しの気休めぐらいにはなるから、こうして書いているのだろうか
と思いきや、そんなこともなく
こうして書いていることによって、少しずつ整理されてきて、うん?その先のもう少し先
そのあたりに、何やら答えのようなものが見え隠れしているような気もしてくるのだ
となれば、こうして書いていることは、気休めどころか、やはり答えを導き出すきっかけに大いになるのではないか
など戯言を公園でひとり、頭の中でぐるぐると考える女、ひとり
頭でぐるぐると考えながら、スマホにプチプチと書いていく
そのスマホに書かれた文章は、果たして誰かに向けたものなのだろうか
それとも、誰にも読まれることのない文章なのだろうか
そのひとりの女
スマホをコートのポケットに仕舞い込んで、ブランコから立ち上がり、歩き出した
どこに向かうのだろうか
帰りたくない場所だろうか
何故帰りたくないのだろう
それを思うこの私は一体誰なんだ