表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/108

4……かけた

 お父さん

 その単語につられて振り向くとパルコがお母さんに何かを渡されているところだった。


「場所はわかるわね?」


「うん」


 パルコは大きく頷くと、さっきの木のドアの前に下がっていた拳大の飾り鈴を腰につけ外に出た。

 ついてってもいいよな?!


 見上げてしっぽをブンブン振ってやるとパルコはおいでと言って閉じる前のドアの隙間から足をどけ俺に通る場所を作ってくれた。


 俺がまた飛び出さないように隙間を足でガードしていたのは知っていたから、今度は慎重に顔を出し足場を確かめつつ階段を下りていく。


『行ってらっしゃい』


 ガーディが見送ってくれた。


 そして俺はやっと外に出た。

 ここが外か!

 無意識でも何であるかわかる空とか土とか草とか木とか以外に何かいくつか生き物が見える。


 でも今日は初めてだしパルコに付いて行くだけにしよう。


 今一番気になるのはパルコの腰にぶら下がって揺れている物体だ。

 カラカラと小さな音がする。


 じっと見てみる。


≪精霊の鈴・獣除け≫


 すると何か獣が出るところに行くのか?

 ワクワクするな。これは狩猟本能と言うやつかな?


 家の前からここまでは踏み固められて草のない道だったのだが、パルコは道を外れて木がたくさん茂っている場所に分け入った。

 下草が短めだったから何とか俺は見失わずに付いて行けた。


 迷ったら困るからマーキングは忘れずにやっておいた。


 しばらく行くと鈴の音が二つになっていることに気付いた。

 人がいるようだ。

 これわかりやすくていいな。あんまりいっぱいでもうるさくて適わないが。


 かなり鈴の音が近づいた頃パルコが腕を大きく振り上げるのを見上げた。


「お父さーん!」


 お、着いたのか?

 パルコが大人の人の近くに駆け寄った姿を遠巻きに見つつ観察。


≪ザッツ・お父さん≫


 うん、お父さんで間違いないようだ。


「お弁当持ってきたよ~」


「おお、ありがとな」


 お父さんに頭を撫でられてパルコは嬉しそうだ。


「おん!(俺もいるよ、お父さん)」


 足元で俺が言うとお父さんは屈んでヨシヨシと頭を撫でてくれた。

 このままお父さんとパルコは弁当を食べるらしい。


 俺はいらないから周りを観察することにした。

 まず二人が座っているのは大きな丸太。下草に隠れないくらい太い。


≪丸太・材木の原料≫


 そのまんまだな。

 まあ下草とかも形がいろいろだし、暇だしいろいろ見てみる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ