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21……摘んだ

 取り押さえた途端におとなしくなるアイハーブ……お父さんは結構平然と花を摘んでいるので、もしかしたらコレが本来のアイハーブの生態なのかもしれない。


『そうみたいね』


 ファイリィがそう頷いた。


 それならそうとちゃんと本にも書いとけよっっ!!

 【怪物】と思われていた。けど実際は【奇怪生物】だ!ってさぁ~。


 初見でコレはかなり堪えるよ……


 一人でブツブツ言っていると、不意に身体が浮いた。

 あれ? と思ったらお父さんに持ち上げられてた。

 見下ろせば足下の花は粗方摘まれたので威嚇の硬直もいつの間にか無くなっていて、アイハーブの根っこ部分は動かなくなっていた。


『次の花が咲くまでは動かないで体力を補充するようね』


 ファイリィの呟きを拾って俺は納得した。


「花も無事に摘めたし、戻るぞ!」


 お父さんが呟いたので、俺はもがいてその腕の中から飛び降りる。


「うおん!(俺が道案内するよ。お父さん!)」


 張り切って足下をグルグル駆け回る俺にお父さんは苦笑い。


「おおん!(案内できるって。信じてよ。こっち!)」


 俺がズボンの端をくわえて何回か引っ張ってから離れて「おん」と呼ぶとお父さんは動き出した。

 やった!今度はすんなり信じて貰えたみたいだ。


 犬の嗅覚を侮ってもらっては困るよ。

 今通ってきた所は俺の臭いがそのまま残っているから戻るだけで家まで帰れる。

 夜の森は暗いからお父さんの動きには注意が必要だったけど、精霊の鈴の音が遠ざかりそうになったら立ち止まってちょっと待っていれば良い。


 そうして俺は夜中になる前にお父さんを村まで送り届ける事が出来た。

 お父さんは即教会に行くようで、俺も今度は付いていく。


「ただいま戻りました!」


 お父さんがまだ弾む息のまま教会のドアを開けると、奥から牧師さんが出て来た。

 足下にはミーヤがいたので顔を見て首を傾げて見せたら、向こうは鼻の上にしわを寄せた。

 ……目元が細くなっているから微笑んでるのかな? 猫はもともと口角上がってるからわかりづらい。


「見つけてきましたよ。アイハーブです!」


 お父さんが花の束を差し出すと柔和な牧師さんの顔が嬉しそうに破顔した!

 おお!

 コレは営業スマイルでなく悩殺スマイルではなかろうか?

 お父さんの顔が若干赤くなっている気がする……俺の気のせいではないだろう。


 ふとミーヤに視線を落とすと鼻ではなく眉間にしわを寄せていた……怒ってる?


「ありがとうございます。暗い中大変だったでしょう?」


 花束を持った牧師さんが労るように言うと、お父さんは俺を見下ろした。

 ん?


「こいつが場所を見つけてくれたんですよ」


 え? 

 功労者は俺?

 それで良いのか!? お父さん!!

20話投稿後一週間閲覧数は61回。ユニーク数は19名でした。

計算精度はいまいちですが(素人)


有り難いです。ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします!

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