表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/108

11……話した

 ファイリィとあいさつをしてから村の中を昨日見た柵を目指して歩いていく。


 隙間の広い柵の中には白黒のまだら模様の牛がのんびりと草をんでいた。


「わん(こんにちは)」


「もう(やあ……何か?)」


 牛に近づくとしっぽが飛んできた。

 牛にも一頭一頭名前があったので話しかけてみたんだが、話せるみたいだ。


「くおん(俺ルーペよろしく)」


「もう(木こりのとこの新米犬だね。よろしく)」


 一頭が答えるとすべての牛が立て続けにもうもうとあいさつを返してくれた。

 しかし柵の中にいる牛達ではあんまり会話は弾まなかった。


 すぐ傍の鶏の柵を覗くと高音で叫ばれた!


「!!」


 思わず肩をすくめると一羽の大きなとさかの鶏が首をかしげてこちらを見た。


「こけー(おまえ誰)」


「くおん(俺ルーペよろしく)」


「こけー(よろしく~きっとすぐ忘れるけどよろしく)」


 一羽が言うとこちらでも立て続けにこけーこけーあいさつを返された。


「おん(声高いねみんな)」


「こけー!(今日はオウムの家の方がが騒がしい!)」


 そうだそうだと鶏たちは騒がしい。

 オウムの家というのはキャラバンの事だろうか。


 今度はキャラバンがいるはずの教会前に来てみる。

 馬車をそのまま倉庫兼店舗にしているらしい。

 人が寝泊まりする建物は教会の隣らしく、何度も出入りする姿が見られた。


 まずはオウムを探してみる。けど……いない。

 仕方なく馬車をひいてきたと思われる馬の傍に行ってみる。


「わん(こんにちは)」


「ひん!(なんだ?!)」


 馬は大きいので大きめの声で話しかけたら驚かれて後ろ足だけで立ち上がられて、こっちの方が驚いた!!

 足元危ない!怖い!!

 とてとてと馬の足元から顔の前の方に移動して顔を見せてから「わん」と言ってみる。


「ひひん(子犬か驚かせるな)」


「くん(ごめんなさい)」


「ひん(わかればいい)」


「おん(俺ルーペ、馬さん達疲れてる?)」


「ぶるる(ここまでは急いだが今は一息ついてるとこだよ)」


「おん(何で急いだか聞いてもいい?)」


「ひひん(馬車に乗ってた人の子が熱を出したんだと)」


 なるほど~馬さん親切で助かった。

 それで三日も早くここに着いたんだね。馬さんお疲れ様です。


 あ、お父さんお母さんが忙しそうにしてたのもそのせいかもしれないな。

 少し気になったので、今も出入りが多い家の近くに行って見たけど……

 でも人とは会話出来ないんだよなぁ

 どうしよう……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ