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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第2章 13年9月
8/43

2.ローション・プレイ

 行程2日目。


 大要塞キューヨーは相変わらずだった。


 納品スケジュールの前倒しを雇われ総経理と約束して(実際にゃ、約束は破られちまったが)、夜に董事長一家と会食。

 董事長と奥さんと、会長であるお母さんと総経理が出席。

 とりあえず奥さんをベタ褒めしておいた。実際、美人だし。


 ひまわりの種が美味しかった。

 ワンさんが美味しいと言ってた田螺(たにし)の煮物は、食べられなかった。


 田螺はワンさんのソウルフードらしくて、里帰りする度、求めて食べているとか。

 私の海苔の佃煮みたいなモンですかな? 人間って、大なり小なり、どこも同じですな!


 ……にしろ、食事中の会話がけたたましい。


 「親子喧嘩してるんですか?」って聞いてしまった。

 帰ってきた答えが「これが普通なんです」ですと!

 これは……ヨーロッパで嫌われるの、解るわ-。

 静かにティーを楽しみたいカフェで、騒がれたらたまらんわー。



 さくっと翌3日目。


 朝から列車で移動。

 上海近くの都市、海寧の大っきな工場に出向く。


 やっぱ都会の工場は違うわー!

 すげー儲けてる。

 生産管理と規格管理を普通にしている某国の会社は儲かるという例。


 ここの製品は安心して買える。

 その分、少々高いけど。


 水も平和も同じでさー、品質とか安全って、金出さなきゃ手に入れられないのよ。

 ワンコインの商品に、数千円の商品の品質求めても困るわー。


 ちなみにどれくらい儲けてるかというと、オーナー総経理(社長)の愛車がベントレーであるところから推測して欲しい。

 生まれて初めて見たよベントレー!


 なんか、ここの総経理と意気投合しました。

 で、夜は宿泊するホテルの日本食レストランで、この総経理と一緒に会食することに。


 工場からは、もちろんベントレーに乗って出発。

 途中、総経理も酒飲むから自宅へ寄り、奥さんの車に乗り換え。


 奥さんの車がポルシェ!

 初めての4ドアポルシェ。胴が長い別注品!


 どんだけ儲かってんだこの工場!

 ……養子とか募集してないですかね?


 で、晩ご飯です。

 メンバーは、私とワンさん、総経理と、偶然ホテルに居合わせた総経理のお友達。計4人。

 さっそくビールを頼みます。嬉しい事にアサヒドライです!

 ジョッキでゴツンと乾杯!

 

 出てくる料理はお刺身だとか、天ぷらだとか、とにかく日本料理です。料理屋のオーナーが日本人ってことで、悪くない内容です。


 そして……いつの間にか……(ここまでが前フリです)


 気がつけばリクライニングの椅子に寝転んでいます。

 左右に同じ椅子が5つばかり並んでいます。


「ここはどこ?」 

 そこそこ広い部屋です。クリーム色の壁に、大型のテレビが据え付けられています。

 どうしてこうなった!?


 やがて、チャイナドレスの綺麗なお姉さんがやってきました。


 まっ! まさかこれは!


 お姉さんは、私の靴下を脱がせて……、手にローションをたっぷり絡めて……、グリグリーっと!


「いてーっ!」


 本場の足裏マッサージっ、痛てぇーっ!


 そこっ経絡秘穴! ひでぶッ! 恐るべし3千年の歴史ッ!

 抵抗したくともアルコールの呪縛により、思うように体が動かないッ! 

 ひ、卑怯だぞっ!


 総経理の罠か? 総経理が接待のつもりでここへ放り込んだのか? オウオウ!

 ……と、必死こいてたのは10分位かな?


 壁に掛けたテレビが、特撮物の西遊記を放映しはじめて、お姉さんそっち見てるよ。

 足裏マッサージおざなりだよ。ここでも三蔵法師は女性だよ。


 で、私も見ました。

 なかなか!

 ワイヤーアクションすげー!

 すげー! す……うげっ……うげげゅ!


「といれっとぷりーず!」

 トイレに駆け込んで――


 オゲーッ! オゲーッ! ゲロゲロ……。

 あーすっきりした。


「ノープレブレム! アイム、リバース! れっつぷれい、ふっとまっさーじ・おっけい!」

 足裏マッサージ再開。


 ここの経費は総経理持ちであった。

 なんていい人なんだ!

 日本人は全員、ここからものを買うべきだ!



 その夜、深夜の2時過ぎ。

 部屋のトイレで吐きまくる日本人が一人。

 




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