4.78才
今回、誰の件かは明言しません。
命が危ないので。社会的な意味で。
数十年にわたり行き来しているので、某国での行動は慣れている! だの――
タクシー使えば、一人での移動なんか簡単! だの――
ホテルは一人で泊まる方が気楽! だの――
頼もしい方だと思っていた時期がありました。
何度か一緒に行動していくと、なにやら齟齬を感じ始める今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか?
(前もって言っておきますが、今回のお話は愚痴でも批判でもありません)。
例えば――
空港にて。
アテンドのワンさんを先頭に、某氏が真ん中。私が殿。基本、某国ではこの隊列で進んでいます。
ワンさんが先頭なのは、案内板を見たり読んだりしなくても目的地へ向かえるからです。
私達は何も考えずに付いていけばいい。ヘタに行き先を探したり考えたりすると遅くなるだけ。
これは道理ですね。
で、この隊列を保持し、エスカレーターを上がって行きます。
エスカレーターという昇降装置は、一度に何十人という人間を、効率よく隙間を空けず、自動的に押し上げるマシーンです。
文明の利器です。待つ事がありません。重い荷物も楽々移動させます。
もし欠点があるとすれば、――なにか事故があると大人数の身体に、あまり嬉しくない事態が訪れる点でしょうか?
もう一度言いますが、ワンさん、某氏、私の順番を保持し、エスカレーターを上がって行きます。
上がりきると、ワンさんは出口へ向かって歩いて行きます。
で、私の前で、エスカレーターを登り切った地点で立ち止まる人が……行き先を独自で探そうとしています……。
で、後ろから数十人。
後ろから抱き抱えるようにして、人を運ぶ。
出来れば、17才以下の可愛い女子を対象としたかったです。
「何でどう?(意訳=何でや?)」
しらんがな!
某氏メインの日。
向こうさんは総経理、社長みたいな肩書きですね。
通常の会話は――
こちら話す→通訳が某国語に訳す→向こう話す→通訳が日本語に訳す→繰り返し。
で、某氏の場合。
こちら話す→通訳が某国語に訳す→向こう話す→通訳が日本語に訳すまえにこちらが話す→繰り返し。
これを商談と呼べるかどうかは個々の価値観によるでしょう。
社会的な意味で命が惜しいから黙秘させていただきます。
その夜。
話はサクサク進めます。
ベースキャンプたる、日本企業経営のホテルへ戻ります。
このホテル、前回オイルマッサージをした回で泊まったホテルです。
日本語通じます。
日本食レストランを多数配備しています。
某氏はここにしか泊まらないとの事――私は日本語の通じないホテルばかり泊まらされましたけどね。
よくよく調べてみれば、必ず通訳と一緒に移動しています。
今回のワンさんを連れて歩くように。
そりゃ、某国で好きに出来ますわな。とは言いません。社会的i(以下お察し下さい)
ああ、言い忘れてましたが、ワンさんは女性です。
50代の女性です。
女性ですが、安心して下さい。
守備範囲、攻撃範囲ともに大きく外れています。
それはさておいて――、
このホテルに泊まったらマッサージである。
仕事できたのに遊んでるみたいで、少々気まずいですが、役得……もとい、出張手当と言い聞かせてマッサージ……もとい、治療します。
廊下を歩きながら、知り合い(某氏またはワンさん)にバッタリ出会わないか、ドキドキです。
……人間が小さいのかなと自己嫌悪に陥りますね。
今回は足裏マッサージ。
1,500円で1時間。これは安い。
全身マッサージは、何故か別部屋となっておりますが、足裏マッサージは大部屋です。
始めて30分ぐらい経った頃でしょうか?
別部屋から某氏がでて参りました。
目が合った?
やべぇ! 気まずい!
いや、某氏もマッサージ受けてたんだからイーブンか!
気まずさが完全中和されました。
某氏の後からワンさんが出てくるまでは。
……やべぇ、気まずい!
「いやアズマダ君、マッサージ一人分を二人で分けたんだ。ワシは膝を痛めてるから! 重傷だそうだ! ワハッハッ!」
……そりゃそうでしょうね。……年が年ですしね。
……場所も場所ですからね……。
……年(78)が年ですしね。年が……年が……年が……
話変わって!
帰りの日。本日は移動のみ。
ワンさんは独自の仕事が有るとかで、行動を共にしません。
こちらはホテルから出る空港行きのバスに乗って移動です。
ホテルの玄関から空港へ直行。
寝てても空港。
中国国際航空便は、第2ターミナルにて発着です。
目的地は第2ターミナル(Terminal)。間違って第1ターミナルに着くと長い距離を歩く事になります。
私は特に問題有りませんし、むしろ散歩できるのでウエルカムですが78才の方には辛いかもしれません。
盛んに「第2ターミナルで降りる」と仰ってます。
で、空港のどちらかのターミナルに到着。
どっちか確認していると「取りあえず降りるぞ!」と言って、勝手に降りました。
日本語が通じない運ちゃんに「でぃすいづ、たーみなる、つー?」って聞きました。
「つーつー」と、指2本出してます。(せかんど、だったかな?)
正解だったようなので、私も降りました。
降りてから「どっちのターミナルだ?」と某氏、なんか、怒った口調で聞いてきます。
「第2ターミナルです」
「ほんまか?」
「運ちゃんに聞きました」
「ほんまか?」
何度も疑われると、自信が無くなってきました。
案内板は無いかな? と、周囲をキョロキョロ。
あったあった!
目の前の柱に、「Terminal2」と表記されてる看板を発見。
「そこの看板に第2ターミナルと書いてますよ! だからここは第2ターミナルです!」
看板を見る某氏。
「何でどう?(何でや?)」
いや! いやいやいや!
何でどう。 え? 何でどう、って?
いや! いやいや!
えーと? 何でって何で?
ど、どなたかこの中に意味を教えていただける方はおりませんか?
何か分からんけど、今回のお話はこれでお終い。
次回、ベトナム編に続くかもしれないし続かないかもしれない。
注)
これは愚痴でも批判でもありません。
個人的感想であり全ての人に効果があるとは限りません。




