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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
16年11月8日。海寧と平湖(ぴんふ)、時々上海
32/43

4.78才

 今回、誰の件かは明言しません。

 命が危ないので。社会的な意味で。


 数十年にわたり行き来しているので、某国での行動は慣れている! だの――

 タクシー使えば、一人での移動なんか簡単! だの――

 ホテルは一人で泊まる方が気楽! だの――

 頼もしい方だと思っていた時期がありました。


 何度か一緒に行動していくと、なにやら齟齬を感じ始める今日この頃。みなさまいかがお過ごしでしょうか?

(前もって言っておきますが、今回のお話は愚痴でも批判でもありません)。



 例えば――


 空港にて。


 アテンドのワンさんを先頭に、某氏が真ん中。私が殿(しんがり)。基本、某国ではこの隊列で進んでいます。

 ワンさんが先頭なのは、案内板を見たり読んだりしなくても目的地へ向かえるからです。

 私達は何も考えずに付いていけばいい。ヘタに行き先を探したり考えたりすると遅くなるだけ。


 これは道理ですね。


 で、この隊列を保持し、エスカレーターを上がって行きます。

 エスカレーターという昇降装置は、一度に何十人という人間を、効率よく隙間を空けず、自動的に押し上げるマシーンです。

 文明の利器です。待つ事がありません。重い荷物も楽々移動させます。


 もし欠点があるとすれば、――なにか事故があると大人数の身体に、あまり嬉しくない事態が訪れる点でしょうか?

 

 もう一度言いますが、ワンさん、某氏、私の順番を保持し、エスカレーターを上がって行きます。


 上がりきると、ワンさんは出口へ向かって歩いて行きます。

 で、私の前で、エスカレーターを登り切った地点で立ち止まる人が……行き先を独自で探そうとしています……。

 で、後ろから数十人。


 後ろから抱き抱えるようにして、人を運ぶ。

 出来れば、17才以下の可愛い女子を対象としたかったです。


「何でどう?(意訳=何でや?)」

 しらんがな!




 某氏メインの日。


 向こうさんは総経理、社長みたいな肩書きですね。


 通常の会話は――

 こちら話す→通訳が某国語に訳す→向こう話す→通訳が日本語に訳す→繰り返し。


 で、某氏の場合。

 こちら話す→通訳が某国語に訳す→向こう話す→通訳が日本語に訳すまえにこちらが話す→繰り返し。


 これを商談と呼べるかどうかは個々の価値観によるでしょう。

 社会的な意味で命が惜しいから黙秘させていただきます。




 

 その夜。

 話はサクサク進めます。

 ベースキャンプたる、日本企業経営のホテルへ戻ります。


 このホテル、前回オイルマッサージをした回で泊まったホテルです。

 日本語通じます。

 日本食レストランを多数配備しています。


 某氏はここにしか泊まらないとの事――私は日本語の通じないホテルばかり泊まらされましたけどね。

 よくよく調べてみれば、必ず通訳と一緒に移動しています。

 今回のワンさんを連れて歩くように。


 そりゃ、某国で好きに出来ますわな。とは言いません。社会的i(以下お察し下さい)

 ああ、言い忘れてましたが、ワンさんは女性です。

 50代の女性です。


女性ですが、安心して下さい。

 守備範囲、攻撃範囲ともに大きく外れています。



 それはさておいて――、

 このホテルに泊まったらマッサージである。


 仕事できたのに遊んでるみたいで、少々気まずいですが、役得……もとい、出張手当と言い聞かせてマッサージ……もとい、治療します。


 廊下を歩きながら、知り合い(某氏またはワンさん)にバッタリ出会わないか、ドキドキです。

 ……人間が小さいのかなと自己嫌悪に陥りますね。

 

 今回は足裏マッサージ。

 1,500円で1時間。これは安い。


 全身マッサージは、何故か別部屋となっておりますが、足裏マッサージは大部屋です。


 始めて30分ぐらい経った頃でしょうか?

 別部屋から某氏がでて参りました。


 目が合った?

 やべぇ! 気まずい!


 いや、某氏もマッサージ受けてたんだからイーブンか!

 気まずさが完全中和されました。


 某氏の後からワンさんが出てくるまでは。


 ……やべぇ、気まずい!


「いやアズマダ君、マッサージ一人分を二人で分けたんだ。ワシは膝を痛めてるから! 重傷だそうだ! ワハッハッ!」

 ……そりゃそうでしょうね。……年が年ですしね。


 ……場所も場所ですからね……。

 ……年(78)が年ですしね。年が……年が……年が……




 話変わって!

 帰りの日。本日は移動のみ。


 ワンさんは独自の仕事が有るとかで、行動を共にしません。

 こちらはホテルから出る空港行きのバスに乗って移動です。

 ホテルの玄関から空港へ直行。

 寝てても空港。


 中国国際航空便は、第2ターミナルにて発着です。

 目的地は第2ターミナル(Terminal)。間違って第1ターミナルに着くと長い距離を歩く事になります。


 私は特に問題有りませんし、むしろ散歩できるのでウエルカムですが78才の方には辛いかもしれません。

 盛んに「第2ターミナルで降りる」と仰ってます。


 で、空港のどちらかのターミナルに到着。

 どっちか確認していると「取りあえず降りるぞ!」と言って、勝手に降りました。


 日本語が通じない運ちゃんに「でぃすいづ、たーみなる、つー?」って聞きました。

「つーつー」と、指2本出してます。(せかんど、だったかな?)

 正解だったようなので、私も降りました。

 

 降りてから「どっちのターミナルだ?」と某氏、なんか、怒った口調で聞いてきます。

「第2ターミナルです」

「ほんまか?」

「運ちゃんに聞きました」

「ほんまか?」

 何度も疑われると、自信が無くなってきました。


 案内板は無いかな? と、周囲をキョロキョロ。

 あったあった!

 目の前の柱に、「Terminal2」と表記されてる看板を発見。


「そこの看板に第2ターミナルと書いてますよ! だからここは第2ターミナルです!」

 看板を見る某氏。

「何でどう?(何でや?)」


 いや! いやいやいや!

 何でどう。 え? 何でどう、って?

 いや! いやいや!


 えーと? 何でって何で?



 ど、どなたかこの中に意味を教えていただける方はおりませんか?

  

 何か分からんけど、今回のお話はこれでお終い。

 次回、ベトナム編に続くかもしれないし続かないかもしれない。




注)

 これは愚痴でも批判でもありません。

 個人的感想であり全ての人に効果があるとは限りません。

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