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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第4章 翌年の2015年編(めんどくさいので以後まとめて)
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15年1月さらば大要塞-1

 今期、プロの管理職集団を欠いたキューヨーは、大失敗をしでかした。


 董事長不在(別荘で長期療養中)で士気が大幅に下がり、だらけムードが蔓延したためでもあろう。


 弊社内検品で見つけた大量の不良品(不良率、脅威の37%)

 こんな事もあろうかと、支払いを停止していた。


 不良経費を差し引いて支払う旨、通達したところ、逆ギレ。金払えと言ってきた。

 全くもって、製品代請求の根拠が解らない。


 ロットアウト相当の商品である。シップバックせず、人と金と時間と信用を使って検査した。合格品は代金を支払うと言っているのに、である!


 緊急社内会議の結果、満場一致でキューヨーとの取引停止を決定した。

 議題提案して、30秒とかからず全員反対に挙手という壮観!

 パートのおばちゃんからも、キューヨー取引停止願いの嘆願書らしき物が出る始末。


「アズマダ君、カムイへ行くついでであるっ! 会社を代表してキューヨーに三行半を叩き付けてこいっ!」

 社長命令である。江田島平八塾長並の迫力である。むっちゃ怒ってる。


 複数人の検査、ならびに検査工場すらだまくらかしての出荷だったのだ。商品すり替えが行われたのかもしれない。コケにされたのだ。


 というわけで、ホントなら正規の分だけ支払ってお終いにしても良さそうなものなのだが、そこはそれ、後々禍根を残さぬ為、説明責任だけ果たそうというのだ。

 



 今回は商社のT氏がアテンド。


 初日、移動だけで上海泊。

 2日目、新幹線で移動。午前中カムイ。午後キューヨー。夜に移動で上海泊。

 3日目、今回、検査を受け持った工場に事情聴取。上海泊。

 4日目、移動帰国日。


 3泊4日の出張である。




 今回よりズーチーまで新幹線が通じたので、上海から日帰りができるようになった。

 やるな、中国鉄道局ッ! さすがゴルフ発祥の地。民明書房参照であるッ!


 そんなこんなで、某国入りは17時30分。空港を出たのは19時30分。

 今回、バスと地鉄を乗り継いで、上海外れのホテルへ。


「アズマダさん、近所にピザ屋があるんですよ。某国のピザなんか初めてでしょう?」

「いいっすね、久々に楽しみだなぁ!」

 地鉄の中で暢気な会話を交わしていた。今回の出張で唯一の贅沢である。


 今回、ほぼ前向きな話で某国入りした訳ではないので、なるべく経費を抑えたのである。

 それを踏まえ、T氏が某国系ネット(有名)予約請負会社で、安ホテルの予約を取った。


 前払いである。


 前払いである事をこの時は知らなかった。知ってれば暢気にしてなかっただろう。


 21時前にホテルへ到着。日本時間だと22時である。

「チェックインプリーズ!」

「は? 予約入ってないですよ(某国語にて)」

 ……。

 どこまで祟れば気が済むのだキューヨー!


 色々と調べてみたところ、申し込みは確実。証拠もある。

 でも、ホテル側は知らないという。


 どうやら、予約請負会社がホテルへ連絡していないらしい事が判明。

 T氏が、予約請負会社に電話するも、番号制になっていてなかなか目的のインフォに出会えない。


「先にメシにしましょう」

 T氏がホテル側と話をして、荷物を預け、外へ。

 ……ピザ屋が閉まってるし。


 仕方なく、目に付いたコンビニっぽい店に入る。

 安全そうな食べ物が少ない(アズマダ判断)店である。

 見た目、飾り気の無いパンと、安全と言われている青島ビールを購入。


 時は1月。

 寒空の元でパンをかじり、よく冷えたビールで流し込む。


 ホテルへ戻り、T氏が改めて電話。30分ばかり、あーだこーだと操作して、なんとか生の人間とコンタクトできた。

 その後、説明だけで20分。


 記録を見ろ! と言ってるのに、電話の向こうは見ようとしないのが原因。

 根勝ちして、記録を見てもらい(なんで見ないのかが解らない)、正しく予約されていた事を確認。予約会社のミスを確認。


 そして、予約会社の人が言うには――、

「目の前にホテルの従業員がいるなら、お客さん(私達)で話をしてください」

 ――とこ言ってる始末。


 T氏、爆怒!


 理詰めで論破。どうにか、予約会社から話を入れさせる事にまで持って行けた。

 だいたい、某国でトラブルが起こったら、こんな展開になる。

 先金払うと、安心して仕事をさぼる。民間企業相手に先金を払うシステムは、できる限り避けるべきである。

 某国語ペラペラなら別に良いんだろうけどね。


 予約会社とホテルのフロントが、客をほったらかしにして電話で話す事……30分。

 何話してんだ?


 てか、部屋空いてるんだから素直に泊まらせろよ! 某国安ホテル!

 このホテル、駅に近いから日本人が沢山利用してるんだろ!?


 部屋の鍵を渡されたのは11時半を回っていた。疲れたよ、もう!

 初日から某国品質を見せつけられた結果となる。


「Tさん、この話、ネットに乗っけても良いですか?」

「望むところ」

 Tさん、まだ怒ってます。

「盛大に膨らまして乗せて下さい!」

 いや、これ以上膨らませるのは、私の腕では到底無理っす!


 

 ホテルの部屋?

 エアコンを最大にしても、壁から冷気が下りてきて寝られなかったよ。


 服を着込んで何とか寝たけど、この壁は何だ? ベニア一枚か?


 で次の日。

 新幹線に乗って、ズーチーへ。

 いつものように巨大看板が林立する地域に突入。

 今度こそ、例の広告塔を激写す……倒れてるよーっ!


 いや、百恵ちゃんは倒れてなかったけど、マジンガーの足みたいな太い鉄柱が折れて広告塔が倒れている! あれ、ガンダムより背が高いんだぞ!

 しかも複数! ゴロゴロと。

 日本だったら大惨事だよ!

 どこまで祟れば気が済むんだキューヨー!


 びっくりして、例の広告塔を写真に納めるの忘れてしまった……。

  

次回、ネタ切れ……もとい、最終回です。

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