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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第4章 翌年の2015年編(めんどくさいので以後まとめて)
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14年11月 営業のM君と一緒に何じゃそりゃ


 その後は平穏にスケジュールを消化していった。

 4日目から体調を崩してフラフラになったりしたが予想の範疇だ。


 前の日に食べた日本料理屋の生魚類がいけなかったと思う。(M君のせいではないと信じたい)


 いかに日本料理屋といっても、品質管理要員は某国人。看板だけで信じてはいけないという見本であろう。


 ちなみに、ここの日本料理店。日本企業が多く存在する立地を生かして、繁盛していた。そしてもっと繁盛しようとして、数年前に食べ放題として再オープンさせた。


 ところが!

 客が某国人ばかりになって、日本人の客足が遠のいてしまった。(食事中、スゲーうるさいから、日本人が敬遠した)


 そしてつい数ヶ月前に、食べ放題をやめ、もとのスタイルに戻し一品あたりの単価と質を上げた。そうすっと、某国人が激減し、日本人が帰ってきたという。(利益率が上がった)


 そこの店で食った。

 ハマチのお造り食った。

 鯛の刺身食った。

 なんかいろいろ生もの食った。

 その罰が当たったんだろう。翌、午前10時より、体調が崩れた。


 なんだろう? 下痢じゃない。頭がボーッとなって気分が悪い。


 で、そのお昼。

 気分が悪いことを告げると、粥の美味しい店に連れて行ってくれるとのこと。

 それは助かる。


 実際、お粥は美味しかった。

 暖かくて柔らかくて、塩の加減がちょうど良い。魚で取ったスープで煮込んだ様だが、生臭さはみじんもない。むしろ滋養感溢れるコクがあった。


 粥はすばらしかったんだが……。

 隣の席で、鳩の姿焼き食べるの止めてもらえません?


 嘴の付いた頭蓋骨を小気味よい音立てて噛み砕くの、止めてもらえません?

 泣くよ?




 この頃、日本よりのおみやげで特に人気なのが「消えるボールペン」である。

 初めての工場で、硬い雰囲気を壊すのに頼りになった。


 わざとらしく雑な絵を描き、話が終わると目の前で消してやる。

 大概、身を乗り出して食い付いてくる。


 そこで、一本余ってるから総経理に(必ず会社のトップに)だけあげる。とパッケージに入ったままのボールペンをプレゼントする。ついでに消える原理も教えておく。(60℃以上の熱で消える云々)


 まず、100%が書いた線をライターの熱で消そうとする。

 消えると、周りのスタッフが驚く。総経理は自慢顔である。


 そこで鉄板の一言「銀行でサインするときに使ってください」

 大爆笑である。


 以後、交渉事がスムーズに行くこと請け合い。

 ……今はどうかな? そろそろ某国でも珍しくなくなってるかも知れない。


 

 

 なんだかんだあって、日本へ帰った頃には復活してました。


 帰りの飛行機?

 3時間ちょとの遅れで済んだかな?

 もちろん、アナウンスなんか無いよ。


 中国語のできる日本人が、スタッフに聞いたけど「10分お待ち下さい」の返事しか返ってこなかったってさ。

 10分って言葉が好きなのかな?



 後日。

 前回、アテンドしてもらったワンさん(荷物とバス遅れ事件の人)が、凄い勢いで聞いてきた。

 どうやって、切符紛失したのに高速列車に乗れたのか? と。

 ありのまま話したら、両手を打って笑い転げていた。


 M君、ちょっと便所まで来いや!




 さらに後日。

 南京から社長あてに電話が入ってきた。

 私への言付けとして、「切符が出てきたと伝えて欲しい」旨、伝言があった。

 社長から、この事について説明を求められた。


 二度とMとは某国へ行かないッ!

 


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