表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第4章 翌年の2015年編(めんどくさいので以後まとめて)
22/43

14年10月・セイさんと飯を食う

 人は、食べるときに本性が現れる。

 私が中2の時、同級生の女の子が言っていた名言である。

 ……いや、私に向かって放たれた言葉ではない!


 さて、今回は、4泊5日の旅である。

 某国でエボラ発症じゃね? というニュースが流れた時期である。

 現地にて、エボラで検索しても一件も引っかからなかった時期である。



 初日は普通。

 商談も、うちの会社が持つ特許商品に関する販売の話なので、こっちが話をリードできる。これは久々のラクショー・コースか?


 いやいやいや、毎回ここでラクショーつってエライ目にあうんだ。自重しよう。


 夜は卵料理の美味しい店……という触れ込みだけど、……大して美味しくないな。

 他の料理も、上海にしては美味しくない。臭いのがなによりダメだった。


 店で初めて猿の脳みそを目撃する。食欲無くす。


 

 問題だったのは2日目。

 セイ氏に連れられ、彼が勧める工場を見学に。


 このセイ氏、温和な顔つきの某国人。中国公司の日本駐在員である。

 物腰が柔らかく、今時の某国人にはいないタイプである。

 セイ氏の友人が出してくれた車に乗り込んで出発。


 その日はハイニンで1泊。


 夕食はホテルの前の道路(4車線)を挟んだ向こう側の日本食店。

 セイさん、そのご友人、そして私の3人で食事を始めます。


 この店は、某国人の間で人気の食べ放題システムを採用。


 始まりは19時。日本食でもあり、腹も減ったことだし、どんどん食べていきます。

 お酒は日本酒。お銚子を何本もお代わりします。


 そろそろ、ドンブリ1杯の分量が腹に入っただろうか?

 他の2人も同じ分量を胃に収めている。

 

 時刻も21時を回った。

 そろそろお開きにしてもらいたい。会社へのレポートや連絡事項もある事だし。


 その旨を伝えると……。

「何言ってるんですか! 食べ放題ですよ。食べなきゃ損じゃないですか。まだまだ食べますよ!」

 セイさんは笑いながら一升瓶に手を伸ばす。


 お銚子を何度もお代わりするものだから、店の人が一升瓶を置いていったのだ。

 それをチマチマお銚子に移し替えて、某国人同士で飲んでるのだ。


 あー、……瓶だから当然冷や酒ね。

 ……つーか、この人達、燗でも冷やでも関係ないのか?


 店の人も店の人で、めんどくさいからといって一升瓶をポンと置いていくか?

 理解できねぇぜ。


 22時を回ったところでギブアップ。

 いったい、こいつら、いつまで食ってるんだ?


 先に帰らせてもらいます。


「ホテル前の道路を横断するの、気をつけてくださいよ!」

 真っ赤な顔をして出来上がっちまった某国人二人から、私へ注意が飛びます。

 あんたらこそ気をつけろよ。



 翌朝、待ち合わせ時刻にロビーで待ってたら、真っ青な顔をしたセイさんがやってきました。

 ……まだ朝飯食ってないんだそうな。


 ホテルの部屋へ戻ったのは、午前3時だったそうな。

 途中からホテルの部屋に戻るまでの記憶が無いそうだ。

 客を放ったらかしにして、よくぞその時間まで飲めてたな!


 どうやって4車線の道路を渡った?

 もしあんたが事故ったら、私はどうすりゃいいの?


 あきれて物が言えない。

 食い放題だと容赦ねぇな、ここの人達!


「急いで朝ご飯を食べてきます。少し待っててください」

 飯、食うんかよ! 

 あきれて――


 今回、帰りの飛行機は30分遅れで離陸した。

 日本へ着いた時は8分遅れであった。

 どんだけ飛ばしたんだよ!





 ちなみに……今回の出張で……。


 歩道を歩いて渡ろうと、赤信号で待っていた時の話。

 あることに気づいた。


 二輪事情である。


 一昔前、この国はチャリで溢れていた。


 昨年、この目で見たときは、チャリが原付スクタに変わっていた。

 単に質量とスピードが増しただけで、マナーは我先優先である。

 質量×速度=破壊力である。


 そして今年。某国二輪事情は進化していた。


 原チャから電動付き自転車へと、恐怖の進化を遂げていた。


 見かけは原付スクタそのもの。いや、この国のスクタはでかいので、重そうだ。

 そのスクタが電動となった。


 何が恐ろしいのか?


 まず、無音。

 次に、自転車だからナンバープレートは不要。

 無灯火オッケイ!


 実体を見せずに忍び寄る白い影。ガッチャry


 ナンバープレート無しで、どうやって事故や違反を検挙するの?

「アズマダさん、あそこを見てください」

 セイさんが街灯の上を指します。


「次にあそことあそことあそことあそこ」

 こっそりと指しています。


「監視カメラがあるので、大丈夫です」

 ……なるほど。


 この国じゃ必需品か。 


「青信号になりましたよアズマダさん」

 話している間に、交差点の信号が替わりました。


「アズマダさん。歩道を渡る時は、前だけじゃなくて、後ろも気をつけてください。ここは日本じゃないんですからね!」


 結構歩いたから、首が痛くなってしまった。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ