14年9月 専務と一緒:暴走編
飛んで4日目の最終日。
車で上海へ移動中の事である。
某方面より、上海中心部へ入る高速道路を工場関係者の車に乗って走行中。
3車線になったり4車線になったりする広い道。
異変に気づいたのは、上海中心部にさしかかってからであった。
よくさ、見かけるじゃない?
町の中の下道で、道路に空いた穴ぼこを応急修理するために、アスファルト乗せてる黄色と黒のしましまトラック。
そんなのが、高速道路の路肩で駐車して作業してる。
高速道路で、スコップを使って、穴ぼこを埋めてる現場を目撃。
作業用の案内や安全関連のアレ一切無しで!
よく見れば、道路のそこかしこが継ぎ接ぎだらけの凸凹だらけ。
車が跳ねる跳ねる!
時速60キロ以上の走行は不可能ッ!
……ここ高速道路だよね?
手抜きにも程があろうに!
路肩を走る方がスピード出せるって何?
文字通り嵐のような高速道路を下りて、一般道と合流するための交差点で信号停止。
横に並んだBMBが……。
タイヤがバーストしてるし。
あ、ホイール割れて三角形になってる……。
聞いてみたところ、手抜き工事だったみたい。
話は逸れるが――。
初日の展示会会場は、上海万博に使われてた建物だった。
仕事の加減で荷物搬入口へ回った時の話。
鉄製搬入用扉の蝶番が錆びてダメになってた。
扉も錆がいっぱい浮いて、穴が空き始めていた。
周囲の歩道は煉瓦(石質タイル?_)敷き。ガタガタに浮きまくっていた為、トランクのタイヤが取られて、真っ直ぐ歩けなかった。酷い有様だった。
上海万博って2010年開催。私達が訪れたのは2014年。
その差4年。
たった4年でこうなったのか? それとも、最初からこうだったのか?
某国の人々は、そこの所、気にならないのだろうか?
品質を求めるのは悪なのだろうか?
今回の出張で、今までの中、最大の暗黒面を見たと実感した。
そんなこんなで、1軒寄ってから、東浦空港へ到着。
手続きを済ませ、出発ゲート前で時間待ち中。
ゲートオープンの時間は15時25分。
いつものゲートは入ってすぐの所だったのに、今回に限って真ん中辺。
こっちの方が綺麗なので、気分は上々である。
後、30分でゲートオープンとなった頃合いを見計らうかのように、専務が席を立った。
「ちょっとタバコとお土産買ってくるわ!」
鞄を持って免税店街へと消えていった。
待つ事20分。
そろそろかなと、ゲートを覗いてみたところ――「ゲートがチェンジしました」なる意味の表示が――。
ドドドドド……。
全くアナウンス無しの突如なる変更!
見逃してたら、乗り遅れだよね? この空港、乗客を何だと思ってんの? 仕事を増やすお邪魔虫程度にしか考えてないな!
新しいゲートは……いつものゲート? 一番端っこだよ!
歩いて10分はかかるぞ!(それくらい広い)
よし! 移動だ!
鞄持った。ペットボトル持った。ウォークマン持った。
忘れ物無しっ!
……専務は?
帰ってこねぇし!
時間が来たところで、すぐにゲートが閉め切られるわけもなし!
残り時間5分。あと少しだから、時間いっぱいまでここで待とう。
10分経過。
帰・っ・て・こ・ね・ぇ・し!
携帯へ電話しても繋がらねぇし!
バカか?
あの専務は、前回、某国へ来た時も飛行機に乗り遅れた実績を持つ男。
土産話にリニアに乗ろうぜ! ってお調子こいて、飛行機の離陸時間ジャストに発車するリニアに乗った為、遅れたという漢。
血液型AB型は伊達じゃねぇぜ!
全世界のAB型を敵に回しても、俺はッ! 非難するのをッ! 止めないッ!
このバカ……もとい、上司を置いてきぼりにして、一人で帰ろうかと何度思った事か!
結局、定時の20分後に合流。
バカ……もとい、専務と一緒に新しいゲートに走る。
私は、この時ミスを犯していた。
忘れていたぜ。
この国の飛行機が、定時で離陸するはずが無いという事をっ!
飛行機は待っていてくれていた。
いや、正確に言うと、東浦空港が混雑していて、定時で離陸できなかったのだ。
相変わらず、予定のアナウンスは無し。
それでも2時間遅れでゲートオープン。
やれやれと思ってたら、滑走路で長時間待機。
日が暮れて真っ暗だよ!
日本着22時を軽く回るよ!
日本についても帰りの電車やバスが無くなるよ! いつ出発するの?
気を揉んでいたが、機内食のサービスがはじまった時点で諦めた。
ウオークマンで音楽聞きながら、本読んでました。
日本へは3時間30分遅れで到着。
空港内を全力で走って手続きを済ませても1時間近くかかる。
結局4時間チョイかかって空港の外へ。
列車駅に向けてまた走る!
最終の特急出発にギリ間に合った。これに乗り損ねると、途中の駅までしか帰れない。
次回より、遅れる事を考慮に入れて、昼の便で帰る事にするっ!




