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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第4章 翌年の2015年編(めんどくさいので以後まとめて)
20/43

14年9月 専務と一緒:銃刀法違反

 初日。


 1日目、飛行機で移動。上海の業界展示会へ。その日は上海泊。

 2日目、高速鉄道でズーチー入り。カムイへ顔を出す。車でジャーシンへ移動。ジャーシン泊。

 3日目、ジャーシンで工場見学。取引先の公司で商談。ジャーシン泊。

 4日目、車で上海へ移動。工場見学。午後の便で帰国。


 3泊4日。ちょいハードな予定。


 今回は同行者がいます。

 社長の息子(AB型)で専務やってる人。

 単に気疲れじゃなく、……いや、今から思うと、あれは気疲れか……。


 どちらかが遅れる事無く、ちゃんと合流。

 見事、飛行機は離陸。時間通り虹橋空港へ到着。

 

 T氏と合流。


 展示会で知らない人たちと名刺交換。

 終了の後、夕刻、シェンさんと合流。

 今回はまたえらく順調じゃねぇか!



 今回、ズーチーのキューヨーにて懇談の予定だったけど、(雇われ)総経理が不在との事。

 で、どこにいるのかというと、ここ上海。

 だったら、上海で会おうかという事になった。


 キューヨーで董事長と顔を合わすくらいなら、こっちで話を進める方がナンボかましだ。

 ……それにしても、董事長とは今年の頭から顔を合わせてないな。忙しいのかな?

 

 で、夜の上海。

 軽くメシ食ってから、集合したのは、おされなワインバー。


 上海でワインバー。

 上海の夜に、お外のテーブルでワイン。

 気分は、ジタンの煙がよく似合う上海ダンディ。


 ワインをあおりつつ、雑談に花が咲く。


 そこで総経理より深刻な報告が――。

「董事長が○×法違反で捕まってしまいまして、1年半の実刑喰らってます」


 ……は?


「昨年の暮れから、牢屋にブチ込まれてます」




 ……。

 …………。

 ………………。

 …………。

 ……。




 ヒャッハーッ!

 いつかやると思ったぁッ!


 工場へ行っても顔見なかったのは、工場にいなかった。つまり、牢屋に入っていた?

 まさか○×法違反とは思わなかったけど……いや、彼らしいと言えば彼らしいッ!


 法を守る者は法に守られる。法を守らぬ者は、法に守られない。

 法を守っていたら生きてけない国だから、平気で法を破る。しかし無慈悲な法は見逃してくれない。


 ビバ法治国家!


 さらに、総経理の告白は続く。

「上海から来た管理職組も、私を残してみんな辞めてしまった」

 それはマズイ……。


 T氏と目が合う。

 アルコールで濁ったアイコンタクト。


「品質がOUT決定」

「引き上げよう」

「もう遅い」

「orz」


 なにか……決して抗えない運命的ななにかが決定した瞬間です。

 それを何とかするために、全力で事に当たらなければと誓いを立てる。


 ……後日談ですが……ダメでした!

 これ書いてて、気分が悪くなってきたぜ!


 某国の工場(会社)は、日本以上に同族経営が多いのである。

 独善的になりがちですが、そこは諸刃の剣。

 トップの者がしっかりしてれば、工場も上向きに。だらしなかったら、右肩下がり一直線。


 昔、とある所に、女にだらしなかった総経理がいました。

 工場は3流も良いところ。内販ですら怪しかったそうな。

 ある日、奥さんに総経理の浮気がばれました。現場に踏み込まれたのです。

。o0○修羅場ですね。


 総経理は、その日以来、心を入れ替え、一心不乱に仕事に打ち込みました。

。o0○ 余程の事があったんですね。

 そこから工場は右肩上がり。

 今では日本じゃ誰も知らない者はいないという立派な工場へ成長しました。

 奥さんはベンツに乗ってます。



 そう! トップがポンコツだったら工場もポンコツになる。

 銭で引き抜いた管理職が、トップと経営方針の違いで総辞職した。

 どこかで音楽が流れている。

 ある者はそれを営業終了の音楽だという。

 また、ある者は方向転進の進軍ラッパと言っている。

 こうして、音楽性の違いから袂を分かつのである。


「今年限りですかね?」

「今年限りですね」

 T氏と私、どちらがどちらのセリフだったか、今は覚えていません。


 今年限りというか……今すぐ逃げなければならなかった事にこの時点では気づいていない。早く気づけアズマダ。


 これ書いていて、ほんとに泣きたくなってきた。




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