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某国出張報告書  作者: モコ田モコ助
第1章 13年9月
1/43

0.○ャ●ナ・リスク

 以下の物語はノンフィクションです。

 苦情を申し立てられても、実際に被った被害……もとい、事実なんだから、修正のしようがありません。



 あれは……


 忘れもしない2013年8月23日。

 初めての某国民間(MU)航空。

 初めての某国出張。

 初めての工場。


 何が言いたいのかというと――。


 初めての某国にて、初めての某国の中の人との交渉なんだよぉ~!


 弊社の発注状況を簡単に説明するってぇと――。

 8月納期で大きな数量が1回。9月納期で細かい数字が1回。10月末で中くらいのが1つ。そして11月納期で大きな数字が1回。都合3回の(合計すると)大口注文。


 当然、正式な契約は交わしている。交わさないと、とんでもない事になる。

 納期も数量も、事前に調整した。少なければ、向こうの要望通り、増やすかカットするかした。得意先と調整もした。


 細かい数字も、この工場の総経理(ザックリ言って社長に相当。この企業の場合、雇われ社長に相当します)責任者と相談した上で発注かけている。嫌なら、相談の時点で断ってくれ、得意先と調節するから。と申し込んだ上の結果である。

 どこからも文句の出ない、パーフェクトな契約。


 この工場の名は「キュウヨウ」。

 知る人ぞ知る大要塞の元ネタぁッ!


 目の前のでっかいテーブルを挟んだ向こうにいるのは、この企業のオーナー兼取締役筆頭である董事長の肩書きを持つ人間。


 年は30を越えたばかりの若手バリバリ。

 お母さんが設立オーナーで、2代目のぼんぼん。

 白いスーツがよく似合う、韓流スター顔負けのイケメン。すげー綺麗な奥さんが、経営を補助しているのだ羨ましい。


 そのイケメン董事長が口を開いて第一声が……

「1回目と2回目の細かいの、そして3回目の大きいのをキャンセルします」

 ……。


 ハァ?


「4回目の大きいのは受けます。そのころ会社も暇になるからね。でも前の3つは、国内向け生産が忙しくなってきたのでキャンセルします」


 ……。


 いや、ちょっと意味が判んねーし。


 このイケメン、何を言ってるんスか?


 つーか、社印押した正式契約書交わしてるんだから――。

「忙しくなってきたので、契約を破棄します。これ以上話しても無駄です」

(原文ママ)





 ハァ?

 意味全然わかんねぇっすッ!





 これが私の某国デビューであった。






 ゴゴゴゴゴ……

1回の出張分を 6話に分けて報告致します。

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