1話 出会い
息が辛い
だけど足を止める訳にはいかない
まだあちこちで足音や喧騒が聞こえる
今僕は少女の手を握って路地を走っている
さて、どうしてこんなことになったのだろうか
僕は三島 圭14歳は学校が終わり友人たちと話しながら帰っていた
そして途中で道の関係上別れた
ここまではいつも通りだった
今日は何故かその帰り道で人に出会わなかった
不審に思っているとそこで少女と出会った
歳は少し下くらいかで白い髪をしていた
そして唐突に助けてと言われた
迷子かと思っているとローブを着た謎の集団が現れた
彼らは少女を渡せと言ってきたが少女は怯えて首を横に振っていた
僕は少女の手を掴んで路地へと逃げ込んだ
そして今に至る
もしあの時大人しく渡していたらこんなことにはなっていなかったであろう
しかし少女の態度を見た感じ何か訳があるのだろう
そろそろ巻いたかと思い足を止めたとき
「おい、そこの」
ついに追いつかれたのかと思い声のほうを見ると薄汚れた服を着た老人がいた
「あ、あなたもこの子を狙ってるんですか?」
少女を背に庇いながら聞く
老人は黙って自分の横の路地を指さした
そっちへ逃げろと言う意味だろうか
僕らは老人に礼を言いその道に入った
ある程度走ると広い道に出た
さっきまでの音は聞こえなくなっていた
「とりあえず警察に保護してもらおう」
それが一番いい判断だった
「駄目、警察じゃ相手にならない」
はっきりと警察じゃ駄目だと言われた
そして
「お願い、私を保護して、あなたなら大丈夫だから」
何度も説得を試みたけれど結局自分の家になった
こういう時に1人暮らしのアパートでよかったと思う、親に事情を説明しなくて済む
「シャワーそこだから使う時言って」
「あ、じゃあ今いいですか?」
代えの服に自分のジャージを渡し僕は家の外に出た
そいて状況をもう一度考えてみた
少女はあの集団に狙われていた
それも警察じゃ相手にならないほどの集団らしい
「狙われていた理由は聞けばいいかな、でも相手にならないってどういうことだろうか、そこまで危険な人達なのかな」
考えられるのは暴力団系しかない。よく逃げ切れたな、僕ら
次にあの老人
「なぜ助けてくれたのか。そしてあの後彼は大丈夫だったのだろうか。そしてあの消えた道は何だったんだろうか。」
実はあの後見たのは老人が指さした道だったがそこには道なんてなかった
「明日もう一度あの路へ行ってみるかな…、でもまたあの集団がいるかもしれないし…、う~ん…」
「あの、シャワー終わりましたよ?」
気が付けばシャワーが終わっていたようだ
寝るときは少女にベッドを使ってもらい僕は予備の布団で寝た