〜プロローグ〜【1月】砂里奈視点
始めましての方が多いと思います。
有希と申します。
連載小説が停滞中なのにまた新しい物を作ってしまった、ダメ作者ですがよろしくお願いします。
更新は不定期で、20話ぐらいの中編小説を予定しています。
〜一月某日深夜2時、砂里奈宅にて〜
今日もとある少女が自室でパソコンに張り付いていた。
彼女の名前は、加藤砂里奈歳は16歳。
4月から高校2年生の現在高校1年生だ。
普通なら華の女子高生と呼ばれる時期だが、
彼女は、そんな女子高生達とは違った。
彼女は私立の進学校の高校に通ってはいるが、
成績が良い砂里奈に嫉妬した女子達からの、陰湿なイジメを受け、夏休み明けごろから、学校を休みがちであり、現在は引きこもりに近い生活を送っているのだ。
今日も私は、日課通り深夜にコミュニティーサイトを開く。
この時間帯が私の利用しているコミュニティーサイトで、一番好きな時間帯だ。
このサイトでは10時頃が、一番人が多いのだが、あまりこの時間帯は好きではない。
何故なら…
それはずばり私の大嫌いな、リア充が多いからである。
やっぱり私みたいな引きこもりと、普通に現実を楽しんでる人とは、
意見が合わないし、リア充コメントを見ると、
その度にイライラしてしまう。
だから、私はこの時間帯が苦手だ。
それに比べて深夜帯なら、普通の、リアルに生活軸を置いている人間は、ほとんど寝てしまっているので、
私みたいな、ネットに生活軸を置いてしまっている落ちこぼれの考えがわかる人が、多い傾向にある。
だから居心地は悪くないのである。
私が大嫌いなリア充トークも少ないしね。
リア充なんて滅んでしまえ!
な、泣いてなんてないんだからね!!
まぁそんな事いってる私にも、実は彼氏居るんですよ…
ネットの人ですが…
でも二次元が恋人の人よりかはマシだと信じたいよ!
おっと私が発狂してる間に、その彼氏から私宛にメッセージが来たようだ。
『サリーさんこんばんは。今日は何か良いことありましたか。僕は相変わらずの駄目人間です…』
『私も今日は全然だったなぁ…私も駄目人間だわ…』
と返信。
彼とはこういう風に、このサイトのメッセージ機能でよく話す。
お互い会話がネガティブ過ぎるのが、少しアレだが彼と話していると楽しい。
ちなみにサリーとは私のハンドルネーム(ネットでの名前)だ。本名から取ったが、充分可愛い名前だと私的には思う。
現実の私は、デブでブスの、サリーという可愛らしい名前からかけ離れた容姿をしてるんだけどね…
彼とは、このサイトで出会った。
最初に彼と関わったのは、私が悩み相談をサイトに投稿した時に、彼がすごく真面目にその悩みに対しての自分なりの考えを返信してくれた事からだ。
それから彼との会話が増えた。
彼ほど真面目で素直に相談に答えてくれる人は珍しく、すぐ彼の事が好きになった。彼の悩みも答えたりしてるうちに、ここまで私を理解してくれる、私にとって信頼できる人はいない。
と思い、ネットでの私の彼氏になって欲しいと告白して今に至る。
ただ彼とは、あくまでネット上の付き合いしか無いので、彼の顔も声も住んでるところも知らないし、実際どんな人かも分からない。彼について私が知っていることは、ハンドルネームが、優で、彼が、私と同い年の男の子だということと、私と似たような境遇で似たような考え方をしているということだけである。
でも彼の事を詳しく知ろうとは思わない。
あくまでネットの中だけの私の心の拠り所であれば充分だ。
一人で引きこもりってる私の寂しさを忘れられる存在であればいいんだから、変に本当の私の事を知られて、嫌われるのはごめんだ。
と、この時はこう思っていた。
〜この3ヶ月後、実際に彼と会うことになるとはこの時の彼女は考えもしていなかった〜
次は、勇気視点での1月プロローグです。