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詩集

羽ばたく想い

作者: ロースト

羽ばたく想い


僕たち、こんな形で会ったけど、違う風にはあえなかったのかな。

もっと、違う風に出会ったならどうだっただろうか。

僕ら、友達になれただろうか。


平穏な時代に生まれたなら、敵同士でなく一緒に遊べていたんじゃないのか。

僕らはすごく似ていて、たくさん喧嘩するだろうけど、

真っ向から本音でいられる相手であったと思うんだ。

だから悲しいね。

だから残酷だね。


今は敵同士、命の取り合いをしているんだ。

和解できたならどれだけ良かっただろうか。


君に死んで欲しくない。

君に誰も殺させたくい。

そんなことを君は望んでいないのだから、止めさせたい。

お願いだから、もうこれ以上自分を傷つけないでくれ。


聞き入れられない願いは虚空に消え去るが、

悲痛な音なき嘆きは今でもまだ響いている。


運命も、世界も、何もかもを飲み込んでしまいそうなほどの暗い色の海へ

流れていく、記憶も、想いも、

力しか残されていなくて僕に出来ることはなんだろうかと立ち尽くす。

何も出来ない僕だけが浮き上がってくるのに怯えてうずくまっている。


僕の心が、風に飛ばされるほど軽くても、

その心が風とともに何かに当たって、揺るがすほどの力を持っていたなら、

何か変わっていただろうか。


鳥のように自由に舞い、この想い届け どこまでも遠く飛んでいけ。

無数の立ち向かう風を乗り越えて、諦めない。

乗り越えても乗り越えても君は見えてこないけれど

空は繋がっているから、いつかはたどり着く。


全てを乗り越えていった君の後を僕は追うことしかまだ出来ていないけれど、

いつかは君を留まらせよう。そう誓っている。


君がこれ以上傷つかないように、自分を傷つけないように、

争いがなくならないなら、せめて止めてくれたならば良いのに。

少しばかりで良いんだ君と話したかった。

君を留まらせたい。


どうしてだろう。繰り返し、繰り返していく。

争いは途絶えることを知らない。

傷つくことを知っているのに、失うことを知っているのに、何故終わらないんだろう。

過ちだと、わかっているのにどうして人は過ちを重ねていく?

答えは出ない。だからこそなのか?


何も変わることなく、同じ人間。

この血は等しく生きるものに流れている。

それを流すことに何の意味がある?

誰もが進化していない。どれもが進歩していない。

血の生臭さが鼻につき眉をひそめる。その紅に醜悪を思う。


炎で大地は焼かれていく。この大地は人のものでなく、世界のものだというのに、

争い、取り合い、穢していく。


こんな嫌な夢から僕を覚ましてくれ。

こんなのを誰も望んじゃいないのだから。

夜明けの鐘が未だに鳴ってくれないんだ。

誰か、揺さぶり、声をかけ、起こしてくれ。

これは現実じゃない、と。


叶うのならば、傷ついた君の痛みを僕と交換してくれ。

優しい君を守りたいと思うから。

天に届くように、空に僕の願いよ舞い上がれ。

鳥のように、天まで運んでくれ。


朝焼けが照らし出す今日はどんなだろう。

後ろ見ることなく精一杯に羽ばたき、この想いを運んでくれ

あの陽光で綺麗に輝く空を駆け抜けて、この願いは決して堕ちない。


君までこの思い届け。

ただ、君と友達になりたいだけなんだ。


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