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咲菜っ葉
咲菜っ葉
「さあ! さくさくいくよ! 覚悟を決めなよ! うじうじじめじめしてたって時間は止まらないよ!」
「おはなぱたけ! わたしどうしたらいいの?」
「お! やっと前向きな声が出たね! よしよし! 覚悟は出来たのかな? 腹括ったのかな?」
さらさらさらさら……。
チラッ……。
「……う……うん」
「じゃあ! 頑張れるよね! 咲菜っ葉!」
「わたしさきなっぱじゃないよ! 咲菜だよ!」
「咲菜のお父さんが、市役所で出生届出すとき書き間違えたんだってね! 本当は咲菜だったのにさ!」
「いいでしょ! わたしは咲菜でずっと育って来たんだけだもん! 気にいってるもんだ!」
「ここはさ! お種子畑何だよ! 色んな種の大元を育む場所だからね! 咲くななんて縁起でもないよ! ここではあんたは咲菜っ葉なんだよ! 覚えときな! 何かと口答えばっかで自分の今の立場分かってるのかな? 咲菜っ葉! お返事は!」
咲菜ちゃんはぷうっとふくれながら。
「……はい!」
と、小さなお声でお返事をかえしました。