コロココロ玉
コロココロ玉
「わかんないよ? コロココロ玉って何? どうやってあの蟻さんくらい小さな、るるるルーレットに転がすの?」
「何言ってんのよ? るるるルーレットも、アリコッコたちだって、小さくもないし大きくもないわよ? わたしがぐるんと廻したら普通にコロコロすれば良いよ! はい! 咲菜っ葉! 胸の前で輪っか作って!」
「胸の前で輪っか作るの?」
「そう! 輪っか!」
咲菜ちゃんはおはなぱたけに言われるがままに、人差し指と左手の親指で小さな輪っかを作って胸の前に当てました。
「これで良いの……?」
「はあ……咲菜っ葉のコロココロはそんなもんなんだね? 両手で輪っか作りなさいな!」
「ごめん! 両手でか? こうかな?」
「よし! そんならね! その輪っかをじっと睨みながらコロココロ、コロコロロココロ、コロココロってい言い続けて御覧よ! 見えてくるからさ!」
「えっと……ココロココロコロロココロコ」
「違うってば! コロココロ、コロコロロココロ、コロココロよ!」
「咲菜っ葉ちゃん! わたしが言いますから、後からついてきて唱えて下さいね!」
「そうね! 覚え悪そうだから、ばなっぴについて言いなよ!」
「ぱなっぴお願いね!」
「では! 参りますよ! コロココロ!」
「コロココロ!」
「コロコロロココロ!」
「コロコロロココロ!」
「コロココロ!」
「コロココロ!」
咲菜ちゃんの両手で作る指の輪っかの中にほんわかピンクの光が輝きだしました。
「その調子よ! 頑張って!」
ぱなっぴの後について夢中になって、何度も何度も唱え続けていると。
ほんわかピンクからコスモスピンクへと、光の輝きが変わり目の奥に光の残像が重なりあってゆきます。
「もうそろそろ良さそうね! コロココロ玉~っ! ギュッ!」
コスモスピンクの眩い光が、シュンと壱瞬にして光縮しコロココロ玉へとなりました。
おぱなぱたけはコロココロ玉をひょいと摘まんで!
「咲菜っ葉! はい! 受け取んな!」
咲菜ちゃんは、差し出されたコロココロ玉を両手で優しく受け取りました。
「へぇえぇぇ……これがコロココロ玉かぁ!」
「さあ! るるるルーレット廻すよおっ! 運試しだよ! 心してコロココロ玉を振るんだね!」