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~詩集~ 忘れゆく魔法  作者: 木山花名美


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雨雲

 

 此処に居たらいけない

 幼いあの子の肩を濡らして

 次へ行こう

 次へ行こう


 此処に居てはいけない

 お洒落なあの子の服を汚して

 他所へ行こう

 他所へ行こう


 此処に居てもいけない

 あの人の心に影を落として──


 どんなに頑張っても

 僕は太陽になれっこないから


 何処へ行けばいいんだろう

 何処へ行けばいいんだろう



 そうして辿り着いたのは

 乾いて荒れ果てた場所だった

 近くて遠い かなしい昔

 一度 来たことがあるような……


 失いかけてた希望を託し

 ひたすら雨を降らせる僕を

 潤い始めた大地は見上げ

 こぼれるような笑みをくれた


 嫌われものの僕だって

 愛される場所があったんだ

 輝ける時代ときがあったんだ


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