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大樹
ずっとずっと
私の見えない上の方に
空に近い葉がある
陽の恵みを満面に浴び
きっと眩しい色してる
あっちこっち
私の見えない左右には
風景に近い葉がある
移り変わる表情の中
きっと豊かな色してる
そっとそっと
私の見えない奥の方に
幹に近い葉がある
太く熱い息吹に触れ
きっと深い色してる
どこかぼやけた色の私は
どっちつかずの半端な位置で
この樹の葉として生きている
心を開けば 私だけの
確かな躍動も伝わるのに
周囲と比べては嘆く日々
きっときっと
私の見えない上の葉は
空まで届かぬ悩み有り
左右の葉には
変化に追いつけぬ焦り有り
奥の葉だって
いつか幹を離れる不安有り




