消えゆく雪

　塀に落ちるの怖いから

　あの子のさらさらお髪（ぐし）へ降りよう

　なびく風に消えゆくその時

　積もれぬ事に気付いたけれど

　地面で踏まれては痛いから

　あの子の柔らかコートへ降りよう

　布地の隙間へ染み込むその時

　積もれぬ事に気付いたけれど

　小さな桃色可愛いから

　あの子のぽっちゃり唇へ降りよう

　暖か吐息に溶けてくその時

　積もれぬ事に気付いたけれど

　此処に降りてよかったな

　この子に出逢えてよかったなあ

　◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

評価をするにはログインしてください。

この作品をシェア

ブックマークに追加

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

―　新着の感想　―

[一言] 　雪は積もりたいのですね。　雨も水たまりをつくりたいのかなぁ。　降りたい、のさきがあるのですね。　愛したい、のさきに、あいてのこころに残りたい、があるように。

2023/06/04 11:08 歌川詩季

管理

[良い点] あの子のさらさらお髪へ、柔らかコートへ、ぽっちゃり唇へ、舞い降りていく雪。積もれぬことに気付いたけれど、此処に降りてよかった、この子に出逢えてよかった、というラストが心に響きました。私…

2023/04/19 00:54 逢乃　雫

管理

感想を書く場合はログインしてください。

+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ