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ブランコ
昼のお空でブランコが
キイキイキイキイ鳴いている
自分で漕げずに鳴いている
はしゃいだ子らが 帰る夕暮れ
風がふうっとブランコ漕いだ
小さな風はそーっと
大きな風はぐーんと
その夜
ブランコは夢を見た
プツンと鎖の手を離し
遥かなお空へ飛んでゆく
どんな風の波も漕ぎ
どこまでも
どこまでも
だけど
ブランコは思い出す
真っ赤な顔で板を漕ぐ
可愛い子らの笑い声
せっかく自由になったのに
さみしいね
さみしいね
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