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【ラブコメ主人公殺人事件】台本

作者: 鳳 小鳥


転校生系ヒロイン(以下転校生)「大変だよ!!主人公君が!!」


一同「え!?」


[現場へ移動]


幼馴染系ヒロイン(以下幼馴染)「な、なによこれ!」


[主人公の死体を皆で取り囲む]


後輩系ヒロイン(以下後輩)「先輩が死んでますね……」


お嬢様系ヒロイン(以下お嬢様)「死んでますね……。ではありませんわ。事件ですわよ!事件!」


委員長系ヒロイン(以下委員長)「皆さん、お静かに!」


[一同静まる]


委員長「落ち着いてください。まず死因を確認しましょう」


後輩「目立った外傷はありませんね……」


お嬢様「これは……もしかして……」


委員長「そうですね。おそらく……毒殺でしょうか?口臭を確認してみましょう。毒物が用いられたなら特有の臭いが残っているはずです」


[一同沈黙する中、口に鼻を近づける]


委員長「特に異臭はしませんね……」


幼馴染「ちょっと!なにしてんのよ!まさか、確認するふりしてキスするつもりじゃないでしょうね?」


委員長「ちっ違います!そんなことしませんから!」


幼馴染「どうだか……」


お嬢様「そうですわよ!主人公さんが死んだとはいえ、抜け駆けは許せませんわ!」


委員長「あなた達こそ何を言っているんですか!?私はただ真面目に捜査しているだけです!」


転校生「まあまあ、落ち着いてよみんな」


[少し間を空けて]


委員長「では、次は被害者の身体を調べましょう」


後輩「はい。私が脱がしますね」


[服を脱がせる衣擦れの音]


お嬢様・幼馴染「うぅ……」(恥ずかしがる)


[主人公の死体が上半身裸になる]


後輩「うーん。服の下にも傷はないようですね……」


転校生「じゃあやっぱり毒殺かな?」


委員長「そう断定しても早計ですよ。もう少し調べて見ましょう」


幼馴染「そういえばさっきから気になってたんだけど、なんであんたが仕切ってるわけ?」


委員長「それはもちろん、私が委員長だからです」


お嬢様「それは理由になりませんわ……」


幼馴染「そうよ!あんたこの中で一番貧乳じゃん!」


委員長「それ関係あります!?」


お嬢様「だって主人公さんは生前、巨乳好きでしたもの……」


転校生「そうだったよね〜」


委員長「くっ……確かに私には胸がないかもしれませんけど……」


幼馴染「ほら〜、認めたぁ〜」


委員長「認めていません!!それにまだ成長期なのでこれから大きくなる予定です!!」


お嬢様「その発言自体がもう敗北宣言のようなものですけれど……」


委員長「うるさいです!!」


後輩「……」(物音)


委員長「そっちは先程から何をしてるんですか!ちゃんと捜査に協力してください!」


後輩「すみません。先輩が漏らしていたので、おむつ替えしてました」


委員長「えぇ……。た、確かに、人間は死ぬと筋肉が緩和して尿や便を漏らしますが……」


お嬢様「そんなことより、何でおむつを持ってきているのかしら?」


後輩「知らないんですか?先輩はずっと前からおむつを履いていたんですよ?私がよく替えてあげてました」


お嬢様「知りたくありませんでしたわ!!」


幼馴染「何それ信じらんない!この変態!!ボケ!!アホ!!死ね!!!」


転校生「もう死んでるけどね〜」


委員長「……皆さん落ち着いてください。被害者の性癖よりも犯人の手がかりを探しましょう」


後輩「ふっふーん。その反応だと、先輩の◯◯◯を見たことあるのは私だけみたいですね〜」


お嬢様・幼馴染「ぐぬぬ……」


委員長「後輩さんも、やめてください……」


幼馴染「はぁ!?私だって、昔一緒にお風呂に入ったんだけど!?あんただけじゃないわよ!!」


後輩「でも、それって昔の話ですよね?」


幼馴染「そ、それは、そうだけど……」


お嬢様「それを言ったらわたくしは主人公さんと添い寝したことがありますわよ!」


幼馴染「何それ!?聞いてない!」


お嬢様「あら?言ってませんでした?以前わたくしが風邪で寝込んでいた時、お見舞いに来てくれた主人公さんとそのまま流れでしてしまったのですわ!」


幼馴染「したって添い寝だけよね!?添い寝だけって言いなさいよ!」


委員長「ちょっと、落ち着いて下さい!今はそんなこと関係ないでしょう?」


(幼馴染&お嬢様&後輩 揉め合う)


委員長「はぁ……。まったく、これじゃあ全然捜査が進みませんね」


転校生「あたし、主人公君にキスしたことあるよ?」


[一同驚く]


委員長「な、ななな、なんてことをしてるんですか!?」


幼馴染「嘘でしょ!?わ、私だって……」


お嬢様「そうですわよ!わたくし達だってまだですのに信じられませんわ!」


後輩「何してんですか!?そんなにキスがしたければ、地面か天使とでもしてて下さいよ!」


転校生「それは嫌だな〜……」


[幼馴染&お嬢様&後輩&転校生 揉め合う]


委員長「はぁ……馬鹿やってる方達は置いといて、私だけで解決するとしますか……」


[転校生3人がかりで縛られる]


転校生「委員長は?ないの?なんか自慢できること」


委員長「その状態でよく余裕でいられますね……」


幼馴染「そうよ!あんたはもう何もできないんだから大人しくしなさいよ!」


委員長「あなた達、本当に最低ですね!?」


後輩「そうですよ。先輩の仇を取るためにも、邪魔しないでください」


委員長「散々、現場を荒らしたのあなた達なんですけど?」


転校生「委員長、いいから早く答えてよ。何かないの?」


委員長「それは……」


お嬢様「あなたも余罪があるなら今のうちに白状しておいた方が身のためですわよ?」


委員長「うぅ……わかりました。私の秘密を教えてあげましょう……」


転校生「やった!教えてくれるって!」


委員長「実は私、主人公さんと海に行く約束をしてました……」


幼馴染「えぇっ!?それ初耳!!」


委員長「そうですよね。誰にも内緒にしてましたもん。なのに、こんなことになるとは思ってませんでした……」


お嬢様「どうせ、過激な水着を着て主人公さんを誘惑しようとしてたんでしょう?」


委員長「ち、違います!」


後輩「でも、結局は先輩と一緒に行けなかったんですね……」


委員長「はい……」


転校生「まあまあ、落ち込まないで。あたし、もう犯人分かっちゃったから」


一同「え?」


お嬢様「何を言ってるんですの?こんなすぐ分かるわけないですわ!」


幼馴染「そうよ!それに、最初に発見したのはあんたでしょ?あんたが一番怪しいんだけど?」


転校生「今から推理を披露するね。んじゃあ、まずこの中で主人公君のこと好きな人〜」


[全員挙手]


転校生「ほぉ、よしよし。やっぱり犯人はこの中にいるね」


お嬢様「どういうことですの?」


転校生「それじゃあ、もう前置きはナシでいきなり結論を言うね。犯人は……君だ」


(幼馴染を指指す)


幼馴染「わ、私!?なんで?意味分かんない……」


転校生「主人公君の死因は外傷がないことから、おそらく毒殺。そしてこの5人の中で、主人公君に毒づけるのは君だけ。君は昔から、主人公のことが好きだけど素直になれなくてついキツく当たってしまう属性なんだ。要は言葉遊びだったんだよ。“毒舌”ってね」


委員長「つまり、幼馴染さんがその毒舌で彼を毒殺した……と?」


お嬢様「それってキスしたってことですの!?」


転校生「そゆこと。ちなみに、あたしのキスの下りは嘘。つまりファーストキスは君のものだよ。おめでとう」


後輩「ちょっと待ってください、何でそんな嘘をついたんですか!?」


転校生「えー。だって、気づいてたんだもん。主人公君の唇、跡が残ってた。だから、キスをしたという嘘をつけば、それに犯人が対抗してくると思ったんだ」


幼馴染「違う!私はそんなことしてない!」


転校生「事故だったんでしょ?主人公君が選んだのは、ずっと一緒にいた君だった。それで告白の後、高まった雰囲気の中君はキスをした。でも、ずっと素直になれなかった君は、多分『この馬鹿!阿保!』とかなんとか言っちゃって、最後まで君の舌から毒は抜けなかった。これが、この事件の真相、だよね?」


幼馴染「…………」


転校生「もし、君がちゃんと素直になっていたら、こんな悲劇は起きなかった。ツンツンしちゃう系幼馴染ヒロインが勝者になれないのは、こういう理由からだったんだ」


幼馴染「でも……それでも、私は……あいつに選ばれたのっ!これだけは絶対的な事実!勝者は私なのっ!」


お嬢様「幼馴染さん……」


幼馴染「うっ……ううっ……」


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