待ちに待った観光
それから魔王たち3人は、ゆっくりと色々な場所を巡り歩いた。
気がついた時には日が傾き、夕日が水平線に半分ほど沈み始めていた。
「あら、もうこんな時間なのねぇ。楽しい時間は、本当にあっという間だわぁ」
セレスティーヌは緋色に燃え上がる海を眩しそうに眺めながら、名残り惜しそうに一人ごちた。
「本当に楽しかったわぁ。まさか、魔王様が魚を見てあんなにもはしゃぐなんて、思いもしなかったわぁ」
「仕方ないだろ!鱗一枚一枚が違う色のやつ、身体が透明で内臓が丸見えになってるやつ、その他にもいっぱい見たこともないやつばっかだった」
「あの時の魔王様、子どもみたいでとってもかわいかったですよ!」
2人から茶化された魔王の顔が、恥ずかしさで熱くなっていく。
「それを言うなら、お前らだって人のことは言えないだろ!?服屋に行ってファッションショーが始まった時は、どうしようかと思ったぞ」
「それこそ仕方ないじゃないですか!?城下町じゃ見ないような服ばっかりだったんですから!」
二人が睨みあっていると。
ぐうぅ~
二人のお腹から、同時に空腹を告げる音が鳴った。その音を聞いた二人はプッっと吹き出し、笑いあった。
「そういえば朝食べてから何も食べてなかったな」
「そうですね。セレスティーヌさん、何か食べたいものはありますか?」
「そうねぇ…そしたら、パエリアが食べたいわぁ」
「「パエリア?」」
聞いたことも無い料理名に、二人は首を傾げる。
「ええ、515年前にまだちっぽけな漁村だったこの町に、勇者様が訪れて作った料理なのよぉ。なんでも、この世の海鮮料理の中で一番美味しいんだとか」
セレスティーヌが放った、この世の海鮮料理の中で一番美味しいという言葉に、二人はゴクリと喉を鳴らす。
「よし!そしたらパエリアを食べに行くぞ!!」
「お~!!」
こうして魔王たちは、美味しいパエリアを出す店を探しに行くのだった。




