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魔王のお悩み相談室  作者: 黒猫 くろと
5章 ヒト族 その1
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未知の経験

魔王(サタン・)(フェスティバル)』当日の昼下がり。


 シエラとアノは、約束通りサイクロプスのおじさんの露店を訪れていた。


 おじさんは私たちに気づくなり、もの凄い勢いで頭を下げてきた。


 (のき)を連ねる家々と同程度の巨体から繰り出されたお辞儀によって生じた風が、私たちの髪を巻き上げる。


「嬢ちゃんたちすまねえ!朝から来たお客さんに、ヒト族の嬢ちゃんについて片っ端から尋ねてはみたんだが……何一つ分からなかった…」


「そうですか……」


 頭を下げられた時点で、ある程度察しはついていた。だけど、もしかしたら……という淡い期待を抱いていただけに、声に悲しみの色が(にじ)んでしまう。


「ただでさえ嬢ちゃんたちには、昨日酷い態度をとっちまったっていうのに……本当に申し訳ねえ…」


 もはや直角を軽く過ぎるほど、頭を下げているため顔は見えないが、声だけでも落ち込んでいることが伝わってくる。


「そんなに謝らないで下さい。昨日は、忙しいのに声をかけた私たちが悪いんです!」


 それに、とシエラは優しく微笑む。


「確かに、アノについては分からなかったですけど、協力してもらえただけですごく助かってます!」


 私の言葉に続くようにして、アノが隣で頭を下げる。


「嬢ちゃんたち………ちょっと待ってな!」


 おじさんは顔を上げるなり、バタバタと露店の内側へ入っていった。


 それから、露店の半分を占めるほどの真ん中に穴が空いた大きな機械に砂糖を入れ、スイッチを押した。


 次の瞬間。機械が大きな音を立てて回り始め、先ほどの砂糖を絹のような美しい繊維(せんい)にして吐き出していく。


 おじさんは割り箸を大きな親指と人差し指で摘み、穴の上でクルクルと回転させる。そうすることによって、割り箸へと繊維状の砂糖が次々と絡まっていく。


 砂糖が風船ほどの大きさまで膨らんだところで、機械が砂糖を吐き出すのを辞めた。


 同じものをもう1つ作ったおじさんは、両手で(つま)んでいるそれを私たちの前へ突き出した。


「ほら!受け取りな!」


「くれるんですか!?ありがとうございます!」


 砂糖が巻きついていない持ち手をそっと摘む。


「これは?」


「こいつぁー綿菓子だ。この世界を救った勇者様の好物だったってことで、ヒト族の間で大流行してんだってよ」


「勇者様の?でも、勇者様って私が産まれるよりも大昔に、亡くなられたはずなんじゃないですか?」


「なんでも1年ほど前に、今まで誰も読むことができなかった勇者様の日記を読める奴が現れて、そこに色んな料理が書かれてたみたいだぜ」


 そんなことはどうでも良い、とおじさんはグイッと大きな顔を近づけた。


「とにかく!一口食ってみてくれ!」


 目を合わせたシエラとアノは、二人して綿菓子にパクッと(かじ)り付いた。


「ん!?」


 舌に触れた瞬間、綿菓子が溶けていき、口全体に上品な甘さが広がっていく。


 食感はまるでなく、口に入れた瞬間消えていく様はまるで雲を食べているようだ。あまりの美味しさと、経験したことの無い感覚に、思わず涙が溢れそうになる。


「どうだ?めちゃくちゃ美味いだろ!」


「はい!」


「とても美味しい…です…!」


 私とアノの反応に、おじさんは嬉しそうに何度も頷いている。


「俺もこいつを初めて食った時、美味すぎて大号泣しちまったもんだ!」


 おじさんはそう言いながら、ガハハハ!と大きな声で笑った。


「っといけねぇ、お客さんが来ちまった。これからまだ聞き込みを続けるんだろ?ヒト族の嬢ちゃんのこと、分かるといいな」


「そうですね。忙しいのに、ありがとうございました」


「おう!」


 深々とお辞儀をして、人の波に乗るようにその場をゆっくりと後にする。


 歩きながら食べる綿菓子は、さっきよりも美味しい気がした。

おはようございます!黒猫くろとです!

まず、投稿がかなり遅くなってしまい申し訳ございませんでした……m(__)m

そして、お久しぶりです。

投稿期間が1か月ほど空いてしまったので、3月の近況をこちらにて報告させていただこうかと思います。


この3月に、私にとって一番の大事件が起きてしまいました。それが、財布を盗難されてしまうということです。

最終的には、お金だけ盗まれた財布が盗難場所から離れた場所に捨てられており、親切な方が拾ってくださったことで手元には戻ってきました。カード類や学生証等が戻ってきたのは、本当に不幸中の幸いでした…!

皆さんもふとした瞬間に盗難されてしまう可能性がありますので、絶対に肌身離さず持っておくようにしてください。


次に就活についてです。

現在何社か選考を受けたのですが、ほとんどが落ちてしまっており、現実の難しさを突き付けられております…(´;ω;`)

ただ、今まで知らなかった企業様や普段利用している企業様の理念等知れて、就活自体はかなり楽しんで頑張っています!

就活はもう少し頑張らないといけないので、投稿は月1回程度にはなってしまいますが、温かい目で見守っていただければ嬉しいです!


最後に、新年に言っていたゲーム配信についてです。

これについては、現状ですが夏休み前ぐらいから開始していきたいと考えています。

ただ、これも就活次第で色々と変更していきたいので、開始すると決定次第ツイッターにて報告させていただきます!


以上で最近の近況報告は終わりとなります。

これからも頑張って執筆活動等、色々と頑張って参ります!

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