久方ぶりの再開
遡ること数分前。
魔王は黒を基調とした、禍々しいデザインの玉座に座り、盛大に溜息をついていた。
「魔王様の態度を見る限り、まだ納得がいっていないようですな」
さきほどから隣で何度も盛大な溜息を聞かされていたセバスチャンが、うんざりした様子で話しかけてきた。
「それもあるが…」
アーレンスから作戦を聞いてからの3日間。親の立場にないなりに考えてみたが、納得のいく答えを見つけることができなかった。
この作戦を実行することで一番被害を受けるのはアーレンスだ。
アーレンスがそれだけの覚悟を持って作戦を実行する以上、魔王としても止める訳にはいかない。
親友が傷つかない道を見つけてやりたかった、というのが本音だ。
だが、それは過ぎた話。
今の魔王には、それとは別の問題が生じている。
「今日はあいつが帰ってくるだろ。あいつはどうにも昔から俺に厳しくてな。苦手なんだよ」
そこまで話した魔王は、セバスチャンのことをキッと睨む。
「というか、そんなことぐらい、言われなくてもお前なら知ってるだろ?」
大抵の者を震え上がらせる魔王の睨みを、セバスチャンはサラリと流して微笑んだ。
「もちろんでございます。ですが、あの方が魔王様に厳しいのは、いつまでも仕事をしなかった魔王様に問題があったかと」
「そんなことないと思うけどな」
ギギィ!
話に一段落ついたところで、玉座の間の大扉を開かれた。そこから、シエラがアーレンス親子を連れて現れた。
「ただいま戻りました!それからこちら、アーレンスさんの奥様の……えーっと」
シエラはアーレンス親子を紹介しようとしたところで、肝心の名前を聞いていないことに思い至る。
軽くパニックになりかけたところで、アーレンスの妻が一歩前へ出て跪いた。
「お久しぶりです、魔王様。私のこと、覚えていらっしゃいますか?」
「忘れるわけないだろ。久しぶりだな、アイリス」




