表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王のお悩み相談室  作者: 黒猫 くろと
3章 ドラゴン
25/86

襲来

「お疲れのようですな」


 本日最後の相談者の悩みを解決した後。セバスチャンがこちらを気遣う言葉をかけてくれた。

「こう連日のように続くとな…」


 お悩み相談室が開かれるようになってから1ヶ月。


 毎日のように悩みを抱えたロベルナの民が、1日に少なくても1人、多くて3人は訪れている。

 休むことなく毎日相談を解決しているため、体力が限界に近かった。


「魔王様もまだまだ鍛え方が甘いようですな」


 疲労困憊の俺とは対照的に、セバスチャンは疲れの色を見せることなく、相変わらずの笑顔を向けてくる。


「鍛え方とかいう問題じゃないだろ。なんでお前はそんなにピンピンしてるんだよ?」


「私とて疲れておりますとも。しかし、それを隠す術を持っているだけでございます」


「隠す術…か」


 これが生きてきた年数の違いか、と疲れ切った顔が引き()ってしまう。


「なあ、提案があるんだが…」


「なんでございましょう?」


「相談室の利用を、1日1人に制限しないか?そしたらこっちの負担も減るし、相談も解決できて一石二鳥じゃないか?」


 俺の提案を聞いたセバスチャンは少しの時間考えていたが、返ってきたのは否定の言葉だった。


「魔王様の仰るように、人数を制限することでこちら側の負担を減らすことはできます。ですが、その分だけロベルナの民を待たせることになってしまいます。そうなれば、悩みが深刻化するだけではなく、最悪の場合、そもそも相談室へ来てくれなくなるでしょうな」


 セバスチャンの返答に、思わず大きな溜息をついてしまう。


「少なくとも、今みたいに相談が押し寄せてる状態ではかなり厳しいかと」


「だよなぁ」


「もう少しの辛抱でございます。それまでは一緒に頑張りましょう」


「ああ」


 魔王は再びつきそうになった溜息を、冷めてぬるくなってしまった紅茶で強引に飲み下す。


 カップを置いたところで、外が何やら騒がしくなっていることに気が付いた。


「今日は祭りか何かか?」


 セバスチャンへと問うと、珍しくセバスチャンが少し困り顔をしていた。


「いえ。本日はそのようなことは無かったはずなのですが…」


「気になるな。ちょっと確認しに行ってくる」


 外へ出ていこうと席を立った瞬間。城下町へと買い物へ行っていたシエラが、息を切らしながら相談室へと入ってきた。


 そのままの勢いで迫り、何かを必死に伝えようとするが、息が切れすぎていて何一つ理解することができなかった。


「大変なことが起こったのは分かったから、とりあえず落ち着いて呼吸を整えろ」


 言われたままにシエラは呼吸を整え始めた。


 そこに、いつの間にかセバスチャンが持ってきた水をシエラへと手渡し、シエラはもの凄い勢いでそれを飲み干した。


「ぷはっ!」


「少しは落ち着いたか?」


「はい!おかげさまで落ち着きました!ってそんなこと言ってる場合じゃないんです!城下町が今大変なんです!」


「城下町?確かに騒がしかったが、なにか事件でも起きたのか?」


「事件どころじゃありません!城下町にドラゴンが!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ