表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/27

断罪

 お兄ちゃんをいじめていた連中はすぐにわかった。


 お兄ちゃんのクラスでイキってる男子グループを女子の上位グループが煽ってプロレスごっこをさせたり、トイレで悪戯させてたらしい。

 最初のうちはきっかけがよくわかんなかったんだけど、「底辺の男子にお金持ってこさせてたのを見たお兄ちゃんが先生にチクった」って話を同じクラスにお姉ちゃんのいる子から聞いた。


 それって逆恨みじゃない?

 他にも万引きとかさせてたみたいだし、クラスメイトがこんな犯罪みたいなことやってたら止めるの当たり前じゃない?絶対に赦せない。


 一応、先生から注意はされてお兄ちゃんへのわかりやすい嫌がらせや暴力はやんでるみたいだけど……

 ハブってるわけじゃないけど、休み時間にわざとらしく大げさに親切そうにまとわりついてきたり、日光のグループわけでも誘う時にいちいち恩着せがましい言い方されたり、違う形での嫌がらせは続いている。

 そのたびに大げさにお礼を言わされたり、土下座を要求されたりしているらしい。


 土下座なんて底辺のゴミクズがするもんだ。あたしやお兄ちゃんみたいに生まれつき選ばれた特別な人間は間違ってもするもんじゃない。

 クソほどの価値もないゴミクズのくせに、一体何を勘違いして調子に乗った事をやってるんだろう。身の程を思い知れ。


 休み時間、イヤらしい笑みを浮かべたクラスメイトたちにまとわりつかれて暗い顔をするお兄ちゃんを見て、あたしは奴らを断罪してやることにした。

 もちろん親や先生にチクるなんて単純な真似はしない。そんな事しても陰でコソコソやられるようになるだけで、かえって事態が悪化するだけだ。


 今は叩き潰したい奴がいる時はうまくネットを使わなくちゃ。

 直接暴力ふるってた男子たちはもちろん、たきつけていた女子も絶対に逃がさない。いやむしろ、やらせてた主犯の女子グループこそ断罪しないと、陰でコソコソ同じことを繰り返すに決まっている。


 まずはSNSを片っ端から調べてアカウントがないか調べてみた。

 小学生でSNS?と思うかもしれないけど、高学年になればスマホ持ってる子は珍しくない。六年生になれば塾に通ってる子も多いから、みんな連絡用にスマホを持たされるようになってるんだ。

 だから、年齢を偽ってエンスタやFacenote使いこなしてる子だっていくらでもいる。親がフィルタかけてたってごまかす方法はいくらでもある。


 案の定、女子の何人かのアカウントはすぐに見つかった。

 表だけじゃなくて、こっそり知り合いの悪口ばっかり言ってる裏アカもね。

 そこでお互いに知らなそうな裏アカをDMで教えてやった。鍵かけとかないなんてうかつだな~とも思うけど、こんな頭の悪い虐めする奴なんて、しょせんこんなもんだよね。


 あいつらのエンスタとかブログとか見てるとシオンで遊ぶことが多いってわかった。お兄ちゃんに直接手を出せなくなって、その分他の子にちょっかいかけてうっぷん晴らししているらしいから、その辺で待ち伏せてたらイジメの現場をおさえられないかな?


 そう思ってしばらくつけてたりしたら、案の定シオンの裏でお金持ってこさせてるところに出くわした。

 見つからないように写真を撮って、ネットに実名入りで晒しまくる。

 親の会社とか名前も一緒に晒す。

 男子たちに暴力ふるわせてるとこも、土下座させてるとこも、ちゃんと顔がわかるように撮って晒した。


 これであいつらは一生いい学校や会社に入ることはできなくなる。

 人生詰んだね。ざまぁ。


 これで学校でもでかい顔できなくなるだろうし、お兄ちゃんも安心して学校行けるでしょ。これに懲りて転校してくれればいいんだけど。


 思ってたよりあっさりゴミ掃除ができて、あたしは上機嫌だった。

 やっぱりあたしみたいな特別な人間はやることもスマートだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ