2
俺は騎士服の男達に担がれ、馬車に乗せられ、拉致された。
「殿下のお部屋にお運びしろ。いいか、そっとだぞ。」
「御意」
おお!此処は、教授以外に御意を使うリアル?否、難しいな、よくわからないが、こんな若い奴が、御意と返事されるんだ、いいなあ、、、と、違う感動している場合じゃあないんだが。
「レオニード様、只今医師が参ります」
「そうか。」
ん?医師?俺も医師だ。とか、思っている場合でもないようだ。
ドアが開き、青い詰襟みたいなのを着た中年が静かに近づいて来た。
「サルトル先生、お願い致します。」
「様子が、おかしいとか?」
「はい、森で発見したのですが、奇怪ないでたちな上私を見てもぼんやりされて、言葉を発せる事が出来ぬ様子なのです。」
俺のスーツは、ラルフローレンだから、そこそこ普段の通勤着としてはイケテいる筈。それを奇怪とは、なんたる無礼。と、怒っている場合ではなく、皆カタカナの名前らしいが、何で日本語かと、又疑問が、、、しかし、素直に聞いてはいけない空気だけは解る、否、感じる。
あ、此処でも医師は先生呼びなんだあ〜と、感動。している場合でも、ないわけで。