異世界で始まる望まない転職生活(医師→皇太子)
俺は、どちらかと言えばモテる。
俺は、仕事も出来る方だ。
俺は、身長180体重76、筋肉質の、大学迄は水泳とアメフトをやっていたスポーツマンだ。
俺は、お坊ちゃま学校で有名な、KO出身で、且つ内部からでも上位5%の、最難関医学部で首席を通し、医師5年目の、前途明るい逸材な筈・・・
気が付けば此処は、何処だ?!
確か、先輩の結婚式前夜、独身生活最後の夜に、と六本木のキャバクラでモテまくり、トイレに立って、用を足し、ドアを開けて、、、
アタマでも、打ったのか?
森の中だ。
真っ暗だ。
快適な温度設定。恐らく23°湿度42%と言うところか。いい仕事してますね、と、感心している場合ではない。
しかし、状況がわからない以上無闇に動くのは得策ではない。
じっとして、居眠りしながら、どれだけ時が経ったろう?
誰かに揺らされ目を醒ました。
見慣れない、騎士服を着た男たちが、心配そうに、あれ、、、何故、見慣れない奴らが心配そうなんだ?
どうせ起こしてくれるなら、接客してくれた、美嘉ちゃんかカノンちゃんが良かった、、、なんて思っている場合じゃあない。
「殿下、大丈夫ですか?」
1人の、他のやつとは、身なりの違う、恐らく同じ騎士でも身分が高いのだろう、金髪碧眼の男が話しかけて来た。
「...」
「さ、王城にお運びするのだ。気をつけてお連れせよ。どうも、頭を打たれているようだ。」
ちょっと、待て。
あんた、誰だ?
殿下?俺はアタマなんか打ってないが、打ったのはあんたじゃないのか?
王城って、何処だ?
なんで金髪碧眼が日本語上手いんだ?
俺のアタマの中は???の山だった。