神様5日目
別の本読んでたわ。いやー、ダンジョン経営物って楽しい!
「喰らえ!忌々しい魔物共!
《サウザント・バーティカルストリーム》!!」
風の勇者【グリニル】がそう叫んだ途端、魔物がひしめいていた広大な大地にいくつもの竜巻が吹き荒れた
「「グァァアアア゛ア゛…」」
「す、すげぇ…」
「あんなにいた魔物が一瞬で…」
ふふっ。雑兵が。この程度で感動しているからお前らは雑兵なんだよ。
「な、なぁ。」
「んだよ。俺は今グリニル様の大魔法に感動してんだよ。話しかけんな。」
「いや、俺も感動はしてんだよ。ただ…」
ん?なんだこの雑兵、俺の《サウザント・バーティカルストリーム》にケチつけようとしてんのか?
ご生憎様、風に乗ってお前らの声は筒抜けなんだよ。
「あ゛?お前まさかこの大魔法にケチつけようってんじゃ!」
「まさか!違う違う!俺はただ、この魔法いつ終わるんだろうって思っただけで…ほら、もう魔物いねぇし。」
「あー、なるほどな。まぁ、あのグリニル様のことだ、直ぐにお消しになられるだろう。」
「それもそうだな。」
…あれ?
そういえば、なんでこの竜巻消えないんだ?
もう魔法は打ち終わったし、魔力干渉もしてないのに…
「おい見ろ!」
「誰がお前の顔を見るか!竜巻見るわ!」
「俺の顔じゃなくて!ほら、あの竜巻!」
「ん?さっきと特に変わってない…あ!
竜巻同士で周り出してる…?」
な、なぜだ!俺はただ竜巻を沢山出しただけ。まとまって動けなんて指示はやってない!
…まさか、誰かが俺の魔法を乗っ取った?
いや、そんなことできるはずが…
「おい、こっち来てないか?」
「に、逃げるぞ!」
くそ!誰に乗っ取られたかは知らないが、ここは俺も逃げるしかなさそうだな。
ふっ、自身の魔法から逃げるとは皮肉だな。
「さらばだ雑兵、また逢う日まで!
《ウィンドステップ》!」
…あれ?ウィンドステップは?
魔力が足りない?いや、いくら大魔法を打ったとはいえまだ充分にあるはず。
「我が魔力を糧にして、我は旋毛と舞踊する!《ウィンドステップ》!」
…んん?なぜ不発する!
「おい、今のみたか?」
「ああ。グリニル様が中級魔法の行使に失敗してたな。しかも風の魔法の。」
クソ!俺が雑兵なんかに侮られるなんて…
いや、今は竜巻から逃げて生き残るのが先決だ。この際プライドも何も考えてる余裕なんてない!
「我が魔力を糧にして、不死鳥は疾走す。廻れ廻れ廻れ!末はこの世の冥府まで!《フェザーステップ》!!!!」
はぁ、はぁ、はぁ。これで、俺の脚は風の加護を受けた、はず。
よし、走れ!
「おいおい、今度は走り出したぞ、あの勇者」
「勇者って意外と足遅いんだな。」
「俺らの方が早いんじゃね?」
な、なぜだ!!
くそ、竜巻がもうそこまで…
「な!竜巻なんか加速して…!?」
「間に合わない!!」
「「グァァアアア゛ア゛…」」
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「ね?可愛らしくて中々いい星でしょう?」
「俺の見てる目の前で勇者が自滅したんだが。」
「…え?」
「しかもその勢いのまま大陸が滅びかかってるんだが。」
「…ま、またまたご冗談を…」
「大気が1箇所に集まって風魔法の行使が出来なくなってるし、呼吸がしずらくなってる地域もあるな」
「あ、あはは…」
「一言で言うぞ?この星、滅びけてる」
「うそだー!」
「ほんとだボケ!大体な、なんで打ち終わった風魔法が消えねぇんだよ」
「え?いや、風魔法なんてほっといたらすぐに消えるじゃないですか。土とかだったら消さないとですけど」
「…お前、藤原の効果って知ってるか?」
「へ?なんですかそれ。藤原道長って人ですか?」
「違う!…はぁ。あのな?台風っていうやつは複数個集まると反時計回りにまとまりながら北上したりするんだよ。」
「へぇー。」
「へぇー、じゃない!つまりだ、全部の魔法は時間で消えるようにしないと物理演算に従ってとんでもないことになるんだよ!」
「なるほど…あれ?ってことは私の星って今…」
「ああ、滅びかかってるぞ!」
「うわああああああ!!!ウラノス様のいじわるー!」
「俺関係ないだろ!?」
藤原の効果(ふじわらのこうか、英: Fujiwhara Effect)または藤原効果とは、2つの熱帯低気圧が接近した場合、それらが干渉して通常とは異なる進路をとる現象のことである。1921年に当時の中央気象台所長だった藤原咲平が、このような相互作用の存在を提唱したためこの名がある
Wikipediaより引用
まぁ、要は台風いっぱいあると、合体はしないけど色々やべぇっていう