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My Demon  作者: 加賀屋 軌
1/3

獣の名

少しグロ描写がありますので、苦手な方はお気をつけください。

拙い文章ではありますが読んでいただけると幸いです。

女が何かに追われている。

薄暗い夜、人気のない細道、1人で歩く若い女。女は自らこの獣の餌食になりに来たのだろうか。


……いや、違う。


女は気付かぬうちに魅せられたのだ。この路に、いや、この獣の匂いにか。


女は鈍い。獣が姿を現すその時まで、己に迫る危機に微塵も気付いてはいなかった。周囲に気を向けてさえいれば、背後に憑かれ脚に傷を負うことも無かっただろうに。


足を引きずり血を流しながら、それでも女は生を諦めていない。私は、とうに諦めたというのに。


獣は嗤い、女は慄く。


獣は獲物をいたぶることに意義を見出している。より緩やかに、凄惨に、愉しむように。


女が金切り声をあげる。何度も聞いた、何度も嫌ったあの音だ。所定の位置より30メートル近く這った女は、フェンスの前で動きを止める。終わりだ、もう逃げ場はない。


初めに、舌を引きちぎる。女は抵抗したが、なんの意味もなかった。口をこじ開け、薄汚い手で根元から奪い取る。声にならない叫びが大気を震わせた。次に眼、順番はどちらでも良い。女は既に意識を飛ばしているようであったが、もうそんなものはどうでもいい。次々と奪い、そして喰らう。それは女が事切れてなおも続く。


この光景を見るのは3度目だ。1度目は驚愕し、2度目は懇願した。そして今回は傍観だ。この獣は私の言うことなど聞いてやくれない。

だが、それでも、私の心のどこかで、こう願うところがある。


止まっておくれ、私の悪魔____

次回から本文に入ります

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