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異世界ワンダーワールド  作者: 田坂屋台
第ニ章
12/17

12冊目 観光

 フィオに連れて来られた宗介達は人の賑わう場所にたどり着いた。宗介はゲームの様な街並みだと思っていたが、実際には電気が普及しており、服は様々だが中には地球の服装にも近い者があり、宗介の服装も周りから気にされることはなかった。むしろ、王女であるフィオの方が周りからの視線を浴びていた。

 確かに異世界の文化を知らないうちに取り込んでるみたいだな。と、宗介は解釈する。


「姫様。変装するとか、もう少し周囲からの気を逸らすということは出来ないのですか?」


「あら、いいじゃない。国民は私の家族だって、おじーちゃんも言っているし、つまり国民は私の家族でもあるでしょ?家族に対して変装する意味がないじゃない」


 周囲の注目を集めながらも宗介達五人は街を見物していた。するとアリスが足を止め、宗介の服を引っ張った。足を止めてアリスのが見ている方向を見ると、店先には本がたくさん置いてあり、看板にはこの世界の文字で本屋と読むことができた。


「あそこに行きたいのか?」


 宗介が聞くと、アリスは首を縦に振り、宗介の手を引っ張って本屋へと向かった。


「では姫様。私達も本屋へ参りましょう。姫様にはもう少し勉学に励んでいただかないと――」


「ねー、イラちゃん! あっちに大っきい噴水からあるけど、一緒に行かない? よし、行こう!」


「あ、ちょっと!?姫様!?」


 フィオはアレスから逃げるように、イラを連れて走って行った。

 その頃、宗介とアリスは本屋の中を見て回っていた。

 中にはこの世界に関する本、この世界の人が書いたと思われる小説など、宗介が興味を引くものばかりであった。

 宗介が本探しに夢中になっていると、アリスがとある本を持ってきた。【龍と始まりの大地】と書かれた本を宗介は手にとってみた。すると奥から店員だと思われる人物が現れ、


「それはこの国……いや、世界の始まりを書いた本でね。ドラ・スィアス民なら誰でも知っている絵本さ」


 と、言ってきたので、宗介はこの本を買うことにした。


「宿を見つけたら読んでみような」


「……うん」


 宗介とアリスが本屋から出ると、りんご飴の様なものを持っているイラ達がいた。


「なんだ、それ?」


「これはね、ジュエリーフルーツって言ってね、この国の人気商品なんだ」


「はい、アリスにもあげるよ」


 アリスはイラから渡されたジュエリーフルーツを恐る恐る舐めると、気に入ったのか、尻尾を上下に振っていた。それを見てフィオとイラは笑う。


「そういえば、アレスさん。この辺に宿はありますか?」


 宗介はアレスに宿の場所を聞こうとすると、アレスは顔を引きつって、


「いや、一応あるにはあるのだが……すまないが場所だけ教えるから君たちだけで行ってくれないか」


 と、言うと場所を書いたメモを渡され、


「姫様、お食事中申し訳ありませんがそろそろ城へ戻る時間です。これ以上遅くなると女王様が心配してしまいます」


「えー。んーでもお母様を心配させたくはないし。イラちゃん、アリスちゃんまた遊ぼーねー」


 と、アレスはフィオを連れて城へと戻って行った。夕日が沈む中、フィオが手を振っている影が大きく映った。

 そして宗介達はメモに書いてあった宿に着いた。しかし宗介はアレスの言動が気になり、開けるに開けられなかった。だが、痺れを切らしたイラがドン! と、大きく扉を開けた。そしてドアの前には霊長類最強と謳われそうな風格をもった女性が仁王立ちしていた。


「あんた達、ウチの前で一体なしたんだい?」


 凄みのある声で言ってきた女性に圧巻されながらも


「あの、私達はアレスさんの紹介でこの宿に泊まりに来たのですが」


 すると、女性はさっきと打って変わって、


「あーら! 宿泊者だったのね、ごめんなさいね扉の前に居座っていたのだから追い出そうとして圧をかけてしまっちゃって」


 いや、あれは獲物を捕らえる時の目でしたよ。と、思っている間にも女将は次々と話をして進めていって、


「さて、丁度夕飯の時間だから食べてもらいたいのだけど……あなた達、かなり汚れているわね。ちょっとお風呂に入って行きなさい」


 と、宗介達は女将に風呂場えと連れて行かれた。


「こっちが男湯でこっちが女湯ね。いっておくけど、子供だからって保護者同伴はダメよ。女はいつだって乙女なのだから……」


 確かに所々土が付いたりしていて、ここらでさっぱりするのもいい。と、考えた宗介はイラ達に風呂に入れと指示するが、何故かイラが嫌な顔をしていた。


「どうしたんだ?」


「いや、僕お風呂はちょっと苦手だからいいかな。ちょっとアリス、悪いけど一人で入って――」


 理由を付けて逃げようとするイラを女将がガシッと掴んだ。


「ふふふ、乙女がお風呂を怖がってちゃあダメよ。あなた綺麗な髪をしているのだから、私が一緒に入って更に綺麗にしてあげるわ。ほら、あなたも来なさい。あなたも綺麗にしてあげるわ」


「イヤー!!」


 嫌がるイラを抱えて、女将とアリスは女湯に入っていく。


「あ、えっとありがとうございます。……えーっと」


「ママレード・ガーナドイル。ママと呼びなさい!」


 と、ママは大きな声で言った。


「すごいでしょ、ウチのママ。お客だろうが誰でも母親の様に振る舞う」


 ママと一緒にいた男性の従業員は言った。

 確かにあれはアーサー王とは別の凄みを感じた。と、思いながら服を脱ぐ。しかし、あることに気づき、服を着なおして、


「ちょっと君、ママたちに少し長めに入ってくれないか頼んでくれないか?」


 宗介の頼みに疑問を持った男性に宗介は、


「……服、買ってくる」


 そう言って宗介は宿から飛び出した。

 風呂に入る理由がまた出来た。宗介は夜の街を走りながらそんなことを考えていた。

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