11冊目 王との対面
クレアシオン大陸に存在するドラ・スィアス王国。古くから人と竜が共に助け合い、生活している国に宗介達はアレスの手引きによって入国することが出来た。
そして宗介達は何故か国王のいる宮殿へと連れて行かれた。
「なぁイラ、これって一体どういう状況なんだ?無事に入国出来たのはいいけど、あの騎士に国王と是非会わさせて欲しいって」
「流石に僕も予想外の展開だけど相手は国のトップ、下手な真似して処刑されました。っていうのだけはやめてね」
玉座の間で宗介とイラは話し合っていた。
すると、アレスが姿を現し、
「今から、王がお見えになる。くれぐれも王に失礼のないように頼む」
アレスが忠告すると、玉座の間に王の姿が見えた。その瞬間、空気が張り詰めたような緊迫感が押し寄せ、イラでさえ王から目を逸らす事が出来なかった。
見た目は三十代くらいであろう。しかし、その風貌から王としての威厳があると宗介は思った。
そして、王が玉座に座り、第一声を放った。
「ナツメ・ソウスケ君だね?私はドラ・スィアス王国国王アーサー・ドランバルトという」
アーサーに対して宗介は礼儀良く返事をするが、
「そんなに緊張しなくても良い。私は君とただ話がしたいだけなんだ」
と、アーサーは続け様に、
「君は異世界から来たと言ったらしいね。君は誰から転生したのかが聞きたい」
と、言ったので宗介は驚いた。
「あの、お言葉ですが私が異世界から来た事に疑いはないんですか?」
と、言うとアーサーは笑いながら、
「確かに普通の人が聞けば誰も信じないだろう。しかしこの世界の文化や技術の発展速度が速く、私は別の世界から来た者の仕業だと推測している。まぁ現に転生者が居るという証拠はないのだけどな」
と、言ったものなので宗介は恐る恐る
「あのすいません。実は私、転生したわけでは無く、この世界に落ちて来たと言いますか…」
と、宗介が言うと周囲からざわめきが起こり、
「ハッハッハッ! 転移者と来たか! それは盲点だった! つまり、君はこの世界の身体ではないと言うわけか!」
と、アーサーは笑うので宗介はポカンとしていた。
「いや、すまない。私も異世界から来た者と話すのは初めてなのでな、少し興味があっただけだ。――さて、本題に移すとすると、話によれば君たちは【ルシャ】から逃げて来たそうじゃないか」
確かに、俺たちはあの監獄から脱獄はしたから何かしらの罰はあるだろう。と、宗介は思ったが、
「あの監獄には伝説上の龍が封印されていたと聞いていたが、君たちはその龍から逃げて来たそうじゃないか。ぜひ、その龍を見せて欲しいのだが、一体どこに居る?」
と、アーサーは言ったので宗介は後ろに隠していた手の平サイズの魔龍を見せると、アーサーはその大きさに少し驚いたが宗介が元に戻れと言うと、魔龍は宗介たちを乗せていた時の大きさになった。
「……! これは驚いた。まさか大きさを変えられるとは」
実は宗介たちが王国に入る前、アレスにその姿を国民に見られると騒ぎになると言われ、魔龍にもう少し小さくならないか。と、言った所、本当に小さくなったので、とりあえず手の平サイズにしておいたという訳だ。
「コホン。話を戻すが、その竜は危険な力を持つためあの監獄でそのまま封印するという案があった。しかし【ルシャ】が崩壊し、今は君たちの所にいる。しかし、またその竜が暴れる事があるのなら君たちは竜を連れてきた張本人として捕まってしまう。そこで、君たちにはこの竜をの監視役をしてもらいたい」
と、アーサーは言うので宗介は、
「いやしかし、竜騎士の人達に預けることは出来ないのですか?」
と、言ったが、
「竜は基本的に認めた者にしか乗せず、俺たちの中に魔龍に乗れる者がいるとは考えにくい」
と、アレスが言ったので宗介は少し黙り、そして、
「確かにこのドラゴンは監獄にいた人達を皆殺しにしたと言ってもいいでしょう。私は自分の世界では医者をしていたので人の命を奪うドラゴンは許せません。しかし、このドラゴンに無闇に人を殺す事を止められるのでなら私はこのドラゴンのパートナーとなりましょう」
と、言った。
そして、アーサーは高らかに笑い、
「その意義や良し! この国王アーサー、君たち三名を我が国の国民と認めよう!」
と、宣言した。
「ありがとうございます!」
「やるじゃんソースケ」
「……おめでとう」
宗介、イラ、アリスは三人で喜び合っていた。
「では、アレス。三人にこの国の案内をする事を命じる」
アレスが命令に承諾すると、
「おじーちゃん! その案内、私も行っていい?」
と、突如少女が現れた。
「おお、フィオか。ああ、一緒に行ってもいいぞ」
「やったー! ありがとうおじーちゃん! じゃあ、おにーさん達、私について来て!」
その元気いっぱいなフィオと言う少女の勢いに流されながら、宗介達は宮殿を出て行った。




