雨音月曜日
雨音が聞こえて
眠い目をこじ開けた
瓦に打ち付ける水で
高音と低音をやり取り
さながら
空のオーケストラ
今日はシンバルは無い
雨音月曜日
傘を広げて
内側の錆つきを気にした
そろそろ
買い替え時なのかと
トランペットの音がする
大粒になれば
勢い良く響いて
縦揺れしては傘を閉じた
運転席に座ると
目の前の滝
雨音月曜日
ワイパーで催眠術を
最速で動かしながら
車を走らせる
雨粒越しに
小さな灯りが移動
対面も
小さな灯りで移動
車の数で何と無くわかる
遅刻しないようにと
校門の前に
列が出来ている
雨音月曜日
横を通り過ぎながら
目的地へ
屋根付きの駐車場
車を入れて迎えに行く
ピンク色の傘が
丁度
閉じた所
雨音に負けてしまうから
なるべく近くで
声を掛けた
振り返って手を振る
雨音月曜日




