夢日記1.
俺はなにか大事なことをしなくちゃならないから、夕刻、職場を出てタクシーを捕まえ、約束のビルの5階に行った。なんだか中国人?アジア人が多い感じのオフィスビルだった。なにか大事なことをしなくちゃいけないことは分かっていたけど、肝心のそれが何かは思い出せないまま、紙コップのホットコーヒーをコーヒーマシンで淹れて、オフィスの島に用意された自分の席?に座った。
周りの席はアジア人の女性が多くて、なんのことを話してるかはわからなかったけど、俺はなんとなく5階のいつもの感じだ、と思った。
ホットコーヒーを飲んで一息つき、デスクトップマシンのスイッチをいれた。モニターがなかなか点灯せず、ダレたロバのような気持ちになってモニターのスイッチをいじっていたら、狂ったような明るさでモニターが点いた。と同時にーーービル内に狂った猿の声のようなーーーけたたましいアナウンス音が鳴った。アナウンス音が切れると短いノイズ音が鳴り、興奮した女が高い声の中国語でアナウンスをした。周りのみんなが悲壮な顔をしながら机の下にしゃがみこんだ。なんのことかは分からんが、俺はみんなに合わせて机の下にしゃがんだ。隣の島には決死の面持ちでヒールを脱いでいる女性がいる。どうやら地震でもないし、火事でもなさそうだ。天変地異ではなくーーーなんで分かったかは俺も分からないのだが、異常者が刃物を持ってビルに紛れ込んだらしい。
でも、ここ5階のフロアはセキュリティドアがあるからカードが無ければ外からは入れないよなーーーいや、トイレから戻ってきたベトナム人や、ビニールを口に当てながら我先にと逃げ出す中国人のおかげでドアはずっと開きっぱなしだ。そうだ、俺もセキュリティカードが無いのに入れたじゃないか。マヌケめ、くそ、俺も逃げなくちゃ、そう思って荷物を抱えて廊下に走りだした。振り返ると、ホットコーヒーが机のうえで湯気を立てている。
そういえば、みんな自然に机の下に身をやっていたけれど、こういう犯人が建物に侵入したような事件でも、机の下に潜るのはスタンダードなんだろうか。
僕は問いを立てた。
机の下に潜る理由はーーー地震なら何かが天井が落下してきても生き残る確率があがるように、とかだ。暴徒が侵入してきた場合はーーー全員が机の下にもぐっていれば犯人が「この部屋には誰も居ないな」と思って逃げてくれるのか?もっともらしいような気がした。でも俺のホットコーヒーが湯気を立てているせいでバレちまう、犯人はニヤニヤしながら近づいてくるだろうな。くそ、オフィスでは冷えた烏龍茶を飲むべきだ。
目が覚めた。