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愉快な先輩たち

時刻が18時を回ったころにわたし達はステラソフィア中央街へと戻ってきました。

「あれ――モナカ先輩からメールが来てますね」

中央街駅に着いた所で、シーニィ先輩がSIDパッドを取り出し、そんな事を呟いた。

Student IDentity情報端末――それは学生証を兼ねた情報端末機器で、このマルクト神国を統治するコンピュータ・シャダイとリンクする事で様々な事が出来る便利な携帯端末でわたしも入学式の後に貰っている。

「アマレロちゃん」

「何ですか?」

「どうやらモナカ先輩もここら辺来てるみたいで、一緒に夕飯を食べないかってメールが来てるんですけど――どうです?」

「良いですよ」

「オッケー、それじゃあ、そう送っておきますね」

そう言うとシーニィ先輩はバーデン=ヴュルテンブルク・ロート先輩へと返信を打ち、送信。

それからしばらくすると、またロート先輩からメールが戻ってきたらしい。

「ウチの装騎部のメンバーも居るみたいですけど――――良いですか?」

「えっ――」

シーニィ先輩の言葉に、わたしはちょっと戸惑う。

「なんでも部活の流れから、そのままみんなで夕飯を食べようってなったみたいで……」

「えっと……わたしは、その、構いませんけど…………装騎部のみなさんの邪魔――じゃないですかね」

「そんな事はありませんよ。みなさん良い人達ですし――――アマレロちゃんが大丈夫なら、OKって事で返信しときますね」

「は、はい――――」

「それじゃあ、駅前まで来ると言っているのでちょっと待っときますか」

それからしばらく――

「やっほー、モッチー! お待たせ~」

背中に眠るミドリコ先輩を背負ったロート先輩と、見知らぬ数人が駅前に現れた。

「モナカ先輩遅いですよ」

「ええ、そんなぁ!?」

「へェ~、この子がモナカ先輩達と同じ部屋の一年生かァ!」

「はい、カシーネ・アマレロちゃんです」

「か、カシーネ・アマレロです――よろしくおねがいします」

「おゥ! よろしくなッ!!」

「あまり怖がらせるんじゃねーぞジーナ」

ジーナと呼ばれたオレンジ色のショートカットをした見るからに活発そうな先輩が元気に笑いながら私の肩を叩いて来る。

何だこの人。

「オレは進学科三年アキテーヌ・オランジュだ! 部活だとジーナッて呼ばれてるゼ。オ○ンジーナのジーナな。よろしくなァ~!」

「よ、よろしくお願いします……」

背中をバンバン叩くオランジュ先輩。

「全く、ジーナさんやめなさい――一年生が困っているわよ」

ピシッとオランジュ先輩の手をはたく、ウェーブがかった紫色の長髪にどこかしっかりとした態度の女性。

「すみませんね……ジーナさんはちょっと頭が足りないので……」

「な、なんだとォ!!??」

「ジーナ先輩、本当のことなのでやめてください」

「そうだぞジーナちゃん。本当のことだから仕方ないだろ!」

「これが――リアル……むにゃむにゃ」

「ブーシュまでァ!!?? オマエ、起きてんだろ本当は!!」

「ねてう――――」

「まぁ、バカは無視して――――ワタクシは進学科三年ズムウォルト・パーピュア、ですわ。よろしくお願いいたしますね」

「よろしくお願いします――――」

握手を求めるように差し出されたパーピュア先輩の手を私は握り返す。

「そういえばお前らそんな名前だったなぁ~。部活だと全然本名で呼ばないからいつも忘れちゃうもんな」

「そうですね……特にモナカ先輩の名前は覚えにくいですし」

「えー、そうかな? ステラソフィアで覚えやすい名前ベスト3に入ると自負してるんだけどなぁ」

「それは無いです」

「ああ、無いナ」

「無いですわね」

「ない――むにゃ」

「ええ!? アマレロちゃんはアタシの味方だよね!」

「――――――ごめんなさい」

「そんなぁぁぁあああああああああああ」

流石にバーデン=ヴュルテンブルク・ロートなんて名前は覚えるのも、発音するのも難しいのは仕方ないと思う。

「そんな事より、早く食べに行きましょうよモナカ先輩――」

「あ、そうだったな! ファミレス行こうぜファミレス!」

色々脱線しかけた所を、シーニィ先輩が一言で軌道修正する。

その後、このメンバーでファミレスに行き夕飯を頂きました。


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