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こんなヤツら

ナストーイチヴイ先輩が部屋を出て行ってから奇妙な沈黙が部屋の中を支配する。

私の膝の上からハシダテ先輩の寝息が僅かに聞こえるのみだ。

「あ、あの――――」

「ん!? 何? クラブアクティビティの話!!??」

「ち、違いますけど――――先輩達ってみんなニックネームが付いてるみたいなんですけど、ああいうのって決めないといけない、とかあるんですか……?」

沈黙がいたたまれなくなって、なんとかそんなことをバーデン=ヴュルテンブルク先輩に尋ねてみる。

すると、バーデン=ヴュルテンブルク先輩は笑いながら口を開いた。

「そんなこと全然無い無い。ただ、モッチーもブーシュも同じ部活でさ、部活では原則ニックネーム呼びだからそのまんま自分の中に浸透しちゃっただけだよ」

「同じ部活――――それじゃあ、みなさんあの第七装騎部の」

「そ、部員だぜ!」

「ニックネームってやっぱり法則とかあるんですか? ハシダテ先輩のは聞きましたけど……」

同じ部屋の先輩方三人が同じ部活に入っているのに、私だけ入らないのは少し複雑な気持ちだ。

でも、機甲装騎には全く興味が無いし、そんな同調圧力みたいな理由で入っても先輩達を困らせるだけだろう……。

そう思って私は気にしていない振りをしながら何気ない疑問を先輩へと問いかけてみた。

「別にニックネームはテキトー。テキトーに案を出し合って、アタシ達が気に入ったニックネームを採用するんだ。本人の意思とは関係無くね!」

「そ、そうなんですか……」

「ちなみに、アタシのニックネーム『モナカ』の由来は、クラブ見学会の時にチョコモナカを食べてたから」

それは、大体予想出来てはいたが、なんて分かりやすい由来なのだろうか。

「んで、モッチーはモッチーの名字『ナストーイチヴイ』は粘り強いって意味があるらしいから、よく粘る――――それなら桜餅のモッチーだ! ってことでアタシが決めた」

「桜餅は関係無いんじゃないですか?」

「うん、言いたかっただけだから」

「そ、そうですか……」

「他にも、ジーナとか会長とかいるけど……」

「ただいまー」

そこで買い出しに行っていたナストーイチヴイ先輩が帰ってきた。

「お、モッチー! 早かったなぁ」

「ええ、新入生の為に急いで来ましたよ」

「そんなにアタシって信用無い――――?」

「はい、ありません」

「そりゃヒデーよ……」

沈み込むバーデン=ヴュルテンブルク先輩の姿。

流石にそろそろ先輩が気の毒になってきた。

「んでんで、モッチー何買ってきたよ?」

なんてことをわたしが思っているのをよそに、すぐさま表情をパッと明るくしてそんな事をナストーイチヴイ先輩に尋ねるバーデン=ヴュルテンブルク先輩。

ああ、この人はそういう人なのか――――。

わたしは同情するのをやめた。

「よっしゃー、そんじゃ今日は飲むぜェ!」

「お酒はありませんけどね」

「そもそもお酒、飲めませんけどな!」

「お酒は二十歳になってからですしね」

「うむ、お酒は二十歳になってから――っ!」

ナストーイチヴイ先輩とバーデン=ヴュルテンブルク先輩の謎の連帯感にやや圧される。

「さて――――ブーシュ先輩を起こさないと……」

それから四人でナストーイチヴイ先輩が買ってきた食べ物やお菓子を食べました。


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