彼女はおると??
・・・一週間後・・・
マサシさんは大阪から新幹線でやって来た。
俺はこれから一ヶ月間、彼の機嫌をとりまくれば、彼が持っているかもしれないコネで、内定をGETできるに違いない。
そう思うと自分の家で居ても立ってもいられず、彼を駅の改札前まで迎えに来ていた。
時間的には、もう到着しているハズだ・・・。
今日からコネGETのために俺は頑張るぜ!!
その時、改札から出てくるマサシさんを見つけた。
俺は大きく両手を振りながら満面の笑みで挨拶をした!!
「マサシさん!!どーもお久しぶりです!!」
「おぉっ!?つとむ〜!!久しぶりやね!!元気しとったと〜!?てか、駅までわざわざ迎えに来てくれたとね〜!!ありがとう」
もちろんですよ。マサシさんのコネで内定GETさせて頂けるなら、荷物だって持たせてもらっちゃいます。
「マサシさん、移動で疲れたでしょう??俺が荷物持ちますよ」
「いやいや、そんな、俺に気を遣わんでもよかよ〜!!まぁでも、つとむがそんなに持ちたいなら持たせてやるたい!!ホラ」
相変わらず遠慮を知りませんね、マサシさん。福岡に帰って来て、とたんに博多弁使うのもムカつきます。でも、今は機嫌をとらせてもらいます。
だって内定のためだもん!!
俺、頑張っちゃうもんね!!
「いや〜、大阪から福岡までお疲れ様でした。てか、マサシさんスゴイですね!!入社してまだ2ヶ月なのに、もう出張とかで飛びまわってるんですか!?」
「うん!!まぁな!!俺みたいな能力が高い社員は、すぐに上司から目をつけられるから大変なんよ!!今回も場合によっては2、3ヶ月くらい出張の期間が延びるかもしれんのやけど〜・・・、でもさ!!多分その時には、お前も内定取れてるやろうし!!少し長く泊まってよかろうもん!?まぁ、とりあえず1ヶ月、お前ん家で世話になるばい!!」
えっ?
マサシさん誰が能力高い社員なんですか??
出張ってなんですか??
仕事忙しいフリですか??
アナタみたいに大事に育てられる大手の新入社員なんて、まだまだ役立たずな人材でしょ!!
ズバリ!!
数ヶ月または一年間は研修期間でお勉強するだけなんですよね?
俺だって就活してるから、入社後のスケジュールとか、研修プログラムは知ってるんだよWWW
でも、今は機嫌をとってあげるけどね☆
「やっぱりマサシさんスゴイですね〜!!誰もが羨む超大手有名企業で、もうすでに自分の能力を認められてるなんて!!俺の家で良いなら何ヶ月でも泊まってって下さいよ」
「そんなぁ〜、俺なんか別にすごくなんかねぇし〜!!まぁ他のやつに比べたら、俺がちょっと仕事できる方なのかもしれんけど〜、俺は普通に仕事してるだけだもん〜!!よし!!んじゃ、出張期間延びた時は頼むわ!!」
一応謙遜してるんですかね??
俺からしたらただ、自分の自慢話してるだけなんですけどね。
てか、2、3ヶ月も俺の家に泊まるって??
冗談じゃないぜ!!
俺が内定取った瞬間に追い出してくれるわWWW
よし!!
早速、この人のコネで入れる企業を紹介してもらおう!!
「じゃあ、早速ウチに帰りましょうか?家で先輩の就活の極意とやらを教えて下さいよ」
「おぅ!!そうやね!!でも、その前に俺、腹減ったなぁ〜、んじゃとりあえずマックでも行くか!!おごってやるからよ!!」
・・・おごってやるって、マックかよ。
社会人のくせにケチな人だ。
俺の家に泊めてやるんだから、もっと高い物食わせろや!!
まぁ素直に喜んだフリしてやるけどさ。
「ええ!?イイんッスか!?さすが社会人ですね!!ありがとうございます」
「おう!!好きなの頼んで良いからよ!!んじゃ行こうか」
まぁ良い!!こうなったら遠慮せずにMEGAマックのセットにオレオのマックフルーリ付けてやるぜ!!
俺達は駅の近くのマックに行った。
「よし!!つとむ好きなの頼んでいいぞ!!おっ・・・!!へぇ〜!!今の時間はランチセットがお得なんだなぁ!!」
ん??何か言った??
あからさまにランチセット俺にすすめてんの??
マックで我慢してやるっていうのに、コイツ・・・、俺に、お得なランチセットで我慢させるつもりか??
悪いがここは譲らないぜ。
「んじゃ、俺、MEGAマック食べたいです!!あとマックフルーリーのオレオ!!」
「・・・あぁ〜ぁ??MEGAマック何それ??うわ!!食べにくそ〜!!今ランチセットが安いんだからそこから選べよ!!腹減ってんならハンバーガーとか何か100円のやつ1、2個つけてやるからよ」
チッ!!クソが!!
何でもおごるって言ったじゃねぇかよ!!
恥ずかしくねぇのか!!
390円のランチセットに100円マック1、2個って・・・このドケチが!!
まぁいい。コネGETのためだ!!
今日は我慢してやる!!
しかしハンバーガーじゃなくチーズバーガーだ!!
チーズバーガーは120円!!
この20円が俺の反抗だ!!
「そうですね!!じゃあ、ランチセットにチーズバーガーとシェイク付けて下さい!!」
「お前よく食うなぁ〜!!まぁ、よかよか!!さぁ〜て、俺は何にしようかな??う〜ん・・・。どうしよ??ねぇ、キミは何がオススメ??」
うわ〜・・・バイトの女の子が可愛いからって、コイツ絡みに行きやがった!!
「そうですね〜^^!!MEGAマックは食べにくいかもしれないけど美味しいですよ☆」ニコッ^^
店員さんNice(゜∀゜)!!
最高!!
きっと俺達の会話を聞いてたんだね!!
マサシざまぁ〜WWW!!
お前はもう、この女の子にドケチな男として見られてんだよ!!
「へぇ〜、って事はキミこの大きいの食べたんだ〜??キミの小さな口で、どんな風に食べたの〜??俺に食べ方教えてよ〜」^^ニコッ
うわぁ・・・
そんな事聞くなよ・・・
女の子は今、仕事中なんだから、あんまり絡んだら悪いじゃん・・・てか、
忙しいから、そろそろウザがられるだろう・・・
ってアレ!?様子が!?
「ええと・・・そのま・・・いえ・・・やっぱり秘密です」*^^*ポッ
ポッて何!?
「えぇ〜秘密なの〜?俺、キミがこの大きいやつ食べてるとこ見てみたいな〜、いつか見せてよ〜」^^ニコッ
コイツも何言ってんだよ!!
「えぇ・・・そんなぁ・・・じゃあ・・・、また、これからも来て下さいよ・・・私平日の昼から夕方にいつもシフト入ってるんで・・・」*^^*ポッ
だからポッって何!?
「OK!!んじゃ早速、明日の夕方くらいに顔出すよ!!てか、ゴメン!!注文だったね!!じゃあハッピーセット二つで!!オマケはキミにあげる」
いやいや!!何約束してんの!?
てか、誰もハッピーセットのオマケとかいらねぇだろ!!
「・・・ありがとうございます!!・・・じゃあ二つとも同じサンリオのキーホルダーのオマケにしますね!!一つはアナタが持ってて下さい・・・」*^^*ポッ
何??・・・この店員さん・・・本当にスイッチ入ったの??
「ありがとう!!んじゃまた明日来るね!!」^^ニコッ
「はい・・・待ってます!!ごゆっくりどうぞ・・・」*^^*ポッ
何か・・・もういいや・・・
勝手にしてよ・・・。
僕ら二人はカウンターの席に隣合って座った。
「あの、こんな事言うのも失礼ですけど・・・、けっこうマサシさんってチャラいですね??」
「そんな事ないばい!!俺、彼女できたら一途やもん!!てか、フリーなうちは出会いを求めて当たりまくらないかんばい!!あ、そう言えば聞いとかなイカン事があった!!つとむって今、彼女おると!?」
俺はこの質問が大嫌いだ。
生まれてこのかた彼女なんて・・・一度もいねぇし・・・
「はい・・・彼女はいませんけど?」
「おぉ!!そうか!!それならよかったばい!!」
はぁ?何が良いんだよ?
俺がモテない事バカにしてんのか?
別に彼女いなくても良いじゃないか!!ほっとけや!!
「あの・・・マサシさん?何でそんな事聞くんですか?」
「フフフ・・・ちょっとな」
なんだよ?その余裕な笑顔?やっぱり俺をバカにしてんだな!!
まぁいい。
てか、さっさと本題に入ってしまおう。
「あの、ところでマサシさん!!去年の就活について色々と詳しく教えて下さいよ!!俺、先輩の話が聞きたいッス!!」
「ん〜?去年かぁ・・・そうだな〜・・・え〜と・・・」
もったいぶってんじゃねぇよ!!
どうせなんかのコネで内定とりまくったんだろ!!さっさと白状して、俺にもコネをよこせ!!
「マサシさん心配しなくても大丈夫ですよ!!俺、口堅いんで!!もし、去年の先輩の就活の内容が知られたくないなら、絶対!!誰にも言いませんから!!」
「ん〜、あ〜、確かにあまり色々な奴には知られたくないんよなぁ〜、んじゃまぁ、家帰って酒でも飲みながら教えてやるばい!!」
ふふッ、まぁいいでしょう。今日は久しぶりにウマい酒が飲めそうだ・・・^^